講談社文庫<br> いつか、ふたりは二匹

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講談社文庫
いつか、ふたりは二匹

  • 著者名:西澤保彦【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2022/06発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062775526

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内容説明

猫になって事件を解決!
猫になったぼく。はじめての謎と冒険。
本格ミステリの名手が贈る、可愛いだけじゃないファンタジック・ミステリ!

眠りに就(つ)くと猫の身体に乗り移れるという、不思議な能力を持つ小学六年生のぼく。町で起きた女児襲撃事件の謎に、猫のジェニイの身体を借りて挑むことに。スリル満点、はじめての冒険の結末は――。
子どもが大人になるために大切なことを教えてくれる、あったかくて、少し切ないファンタジック・ミステリ。

●執筆中、これまで出会い、そしてお別れしてきたひとたちや犬、そして猫のことを憶(おも)い出しました。作品の出来、不出来は別として、この『いつか、ふたりは二匹』は、わたしにとって生涯の宝物のような作品になりました。――西澤保彦(あとがき「わたしが子どもだったころ」より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

🐾Yoko Omoto🐾

139
主人公である小学生の男の子が眠っている間だけ猫の体に乗り移ることが出来るというファンタジックな設定。それを、現実に小学生が巻き込まれるような物騒な事件に違和感なく絡めてあり楽しめた。子供ならではの自己中心さや弱者に牙を剥くような恐ろしい大人の犯罪は、主人公が知るには苦い現実であるが、“成長”という余韻を残すいいラストだったと思う。「自分の都合で他人を利用しちゃ駄目なんだ」という人としての気付きを改めて教えてくれる良作。ミステリーランド既読分、今のところハズレなし。森博嗣氏の「探偵伯爵と僕」がマイベスト。2015/06/07

chiru

79
『七回死んだ男』『人格転移の殺人』『神のロジック…』に続き4作目。 複雑な家庭環境で育つ小6の少年の秘密は、寝ている間だけ猫の身体に乗り移れること。 猫のときの親友犬とともに通り魔事件を捜査。 女の子を助けようとした猫の顛末に、突然夢から覚めたような感覚を味わいました。 少年が損得をかえりみずに起こした行動は喪失感と後悔をもたらすけど、同時に大切なものに気付くことにつながっていく。 人生は幸せか不幸かでは計れない。 ただ命の輝きなのだと肯定する、爽やかな着地のミステリーでした。 ★42018/10/30

へくとぱすかる

69
児童向き作品とはいえ、西澤作品らしく、とてもトリッキーな物語。動物に「乗り移る」探偵、となると、もはや独壇場でしょう。例の「チョーモンイン」シリーズを思わせますね。現代の小学生をとりまく状況がリアルに描かれ、「動物探偵」の活躍がスリリング。ところで最初の方で、やや疑問に思った懸案事項があったのですが、ラストで見事に伏線が回収されて、泣きそうなほど感動。人間と動物の関係って実におもしろいです。2013/11/25

yu

53
眠ると猫に乗りうつれる少年。そんな少年の同級生の女の子が、通り魔に襲われる。猫に乗り移り、事件の真相を探ろうとするのだが、たどり着いた真相とは? 解説にもありましたが、ジュブナイルとしての作品だそうです。 確かに、少年・少女向けなのかもしれませんが、ちょっと重たいかと。 ピーター(犬)との日向ぼっこシーンがよかったなぁ。うらやましい。 2013/06/15

キングベルⅩ世

49
女子児童を狙った誘拐事件と襲撃事件に小学6年生の僕が乗り移った猫が挑むというだけでもう心が躍らされるわぁ。ミステリとしてもファンタジーとしても楽しめるお得な一冊。人間の汚い部分や最後の教訓めいたものを含めて、「あぁ、子供の頃にこういうのを読んでおきたかった」って感じ。というか自分の子供に読ませよう!あと聯愁殺のあとに読んだからか異常に苗字がわかりやすく感じたな。忍坂レベルであっても(笑)2015/01/31

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