中公文庫<br> エミリーに薔薇を

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中公文庫
エミリーに薔薇を

  • ISBN:9784122072053

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内容説明

名家の老嬢エミリーの死後、閉ざされた部屋に残されていたのは……。短篇ミステリの古典にも数えられる表題作ほか、「あの夕陽」「ウォッシュ」など七篇を収録。架空の町ジェファソンを舞台にした《ヨクナパトウファ・サーガ》の全体像を望見しうる短篇集。巻末に中上健次の講演「フォークナー衝撃」他一篇を収録。    
【目次】
赤い葉/正義/エミリーに薔薇を/あの夕陽/ウォッシュ/女王ありき/過去/デルタの秋/解説(高橋正雄)
《巻末付録》 
中上健次、フォークナーを語る(フォークナー、繁茂する南/フォークナー衝撃)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

フリウリ

11
収載されている短編はほぼ「ポータブル・フォークナー」と重なっています。問題は、巻末の中上健次によるフォークナーに関する講演再録です。例えば、フォークナーが「南」の文学の創始者であること、南=繁茂のメタファーとしてのスイカズラ(中上のタチアオイ)、コミュニティを作りも壊しもする「うわさ話」の語りと人称のポリフォニー、そして、見られる人-見る人-見られる人の三者構造による視線のポリフォニーなど、とても重要なことを語っていて、すぐれた作家ならではの、「創作」につながる奥深い読みに、感銘を受けました。82023/07/21

tyfk

7
マルケスやトニモリスン とかに与えた影響という点では、長編より短編の方が手法のあれこれがわかりやすいし、「噂」について語ってる中上健次の解説もよい2024/08/01

azuno

3
小川洋子さんのFMの読書番組で取り上げていて、はっきりは仰らなかったのだが大体ネタバレしていて、かえって気になったので図書館で検索した。当地の図書館にはあまり蔵書が無くかえって世界文学全集(集英社版)がヒットしたので 図書館でこの話だけ一読した。古い全集物もなかなか趣がある。初フォクナーだったので、この中公文庫の欄に記録させてもらう。読みやすく気品ある文章だった。(訳もいいんだろうね。)機会があれば他の作品もあたろう。2022/09/28

十文字

2
どれもフォークナーらしい短編なのだけど、訳がちょっと古いかな。最近出版された『ポータブル・フォークナー』は本書と収録作品の多くが被ってて、全部新訳だった。巻末にある中上健次の講演も良い。2022/09/20

stray sheep

1
既読の龍口訳とはずいぶん趣が違ったように思う どちらかというとこちらの訳の方が好みか(時代性もありそうだけれど)2025/01/22

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