内容説明
イギリス女性史と女性にまつわる現代の問題をあわせて詳述。功績も欠点もある「むずかしい女性」が、女性のこれまでを変えてきた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉
25
複雑にもつれた糸をばっさりと単純化したくなる誘惑に抗って、少しずつ解きほぐすような書き方が魅力的だった。むずかしいというより、関西弁でいう「ややこしい」のほうが近い。当たり前の前提とされている家父長的な現実に異議を唱える女性たちを、著者はいたずらに神格化しない。彼女ら自身にも長所と短所があり、誤解され仲間割れする。しかし、女性参政権のために暴力を行使したり牢獄で命がけの絶食をしたりする彼女らの苦闘がなければ、壁が打ち破られることはなかった。英国での事例が中心だが、日本の医大入試での女子減点などにも言及。2022/09/03
奏市
10
図書館の新しく入った本のコーナーが好きで、目につきタイトルに惹かれて借りた。がっつりフェミニズムの本を初めて読むんだ。周りと衝突する程信念や行動力を持つ女性が女性の権利獲得・拡大に貢献してきたとの話を実例で紹介してある。イギリスが舞台。そういう「むずかしい女性」であるべき、彼女らを総叩きする社会を変えるべきといった内容。男女問わず西洋の権利獲得は生死をかける事を厭わないとてつもない苦闘の結果と改めて学んだ。東京医科大の女子減点の話も載っていた。他の項目含め先進国の現代の差別例では掲載は唯一。/図書館より2022/08/15
Jessica
6
今まで読んできたフェミニズムに関するストーリーを色々な面から眺めて、その難しいとされた背景や理由を丁寧に紐解いていくフェミニズム史。数年前に女性は「ややこしい」だかなんだか発言した与党の政治家と、つい先日「差別をしている意識はない」と語った首相を見ると今現在の有様にも絶望しかありませんが、この本を読むと権利の獲得は闘争の歴史だったのだなと励まされるようです。2023/02/28
る
5
フェミニストの物語を単純化して模範的な側面だけを語るのであれば「善き人であれ」「完璧であれ」という女性への抑圧になり得るとして、功績も欠点もある複雑さをありのままに伝えるべきだというジャーナリズムの論理に則って書かれた本。 イギリスの活動家や歴史について勉強になったし、イギリス以外の国にもいたであろう「むずかしい」女性たちについての本を読んでみたくなった。 中絶の章に出てきた三人がかっこ良すぎて歳をとったら自分もああなりたい。2024/10/05
カモメ
5
離婚や中絶のテーマから、女性はかつて従属的な存在とされており、女性より胎児の方が大切にされてきたのが分かる。フェミニズムとは自立に関わる話であった。フェミニズム活動に取り組んだ女性たちは称賛されるような功績ばかりではなかった。参政権を求めたサブラジェットは平等な者同士であれば理性が力に勝るが男性と女性は平等でない、弱々しい女性らしさを払拭することを理由として暴力的な闘争を擁護していた。2023/04/06
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