ちくま文庫<br> 女と刀

個数:1
紙書籍版価格
¥1,210
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

ちくま文庫
女と刀

  • 著者名:中村きい子【著者】
  • 価格 ¥1,177(本体¥1,070)
  • 筑摩書房(2022/06発売)
  • 梅雨を楽しむ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~6/14)
  • ポイント 300pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480438041

ファイル: /

内容説明

「わたしという女は、子しか産むことのできぬ女なのか」「ひとふりの刀の重さほども値しない男よ」……。男尊女卑の因習、家の規範、愛なき結婚、第二次世界大戦、70代での夫との訣別……薩摩士族の娘であるキヲは、明治から昭和にかけて世のならいに抗い、「独立」の心を捨てずに生きた。自らの母をモデルに、真の対話を求め続ける一人の女性を鮮烈に描いた名著。

目次

序章
第一章 生いたち
その一 西南の役と父
その二 「冷物取り」でいけ
第二章 娘時代
その一 血を汚すな
その二 そのころの男と女の差別
第三章 女の肌の重み
その一 傷つけられた意向
その二 嫁が姑となり
その三 血の精粋とは 血の憎悪に徹することである
その四 結婚とは 血の固めに他ならず
その五 胸は「まさむね」
その六 息子よ 自我は各 ひとつの根となる確立を
第四章 刀との対話
その一 このひとふりこそ 肌と向きあえる唯一のもの
その二 鬼の姑と仏の嫁と
その三 「血」の亀裂
その四 なにが古く なにが新しいといえるのか
その五 鬼婆とは
その六 わたしの「いくさ」ではなかった
その七 訣別
その八 独立のたのしみ
解説 鶴見俊輔
解説 斎藤真理子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

82
「反り身で生きてきた女の肌の重みを識る。千の槍も通さぬしなやかな女の肌」。明治から昭和を生きた薩摩郷士の娘キヲの一代記。郷土訛りの彼女の語りが迫ってくる。その衰えない迫力にいつしか人生を鼓舞されたように感じた。齢七十で離縁した元夫への一刀両断から始まる。維新後も身分制と家父長制が色濃い地元で自らの生き方を問い、相手を問い、時代の変遷の中を整然と信念を持ち続ける姿は哲学的。現代風の処世術の真逆な有り様だが、実は人間味ある現実主義なのだ。肝の据わった人間性、そこから忘れていた肝心なものが思い出された気がした。2026/02/13

優希

37
芯の強い女性を描いているという印象を受けました。強烈で力強さがあり、生まれる時代が異なれば良かったと思わずにいられません。2023/10/29

Olive

10
著者の実母がモデルの小説である。娘の目に映った母親像は, 厳しくそして孤高の威厳さえ感じる。薩摩藩士の娘として生まれたこの母親は、何かに屈して生きることを強固なまでに拒み続けた。小説にしてある程度の脚色もあるだろうが、鋼の意志を貫く頑固さは時として他人へ押しつけと取れることもあるが、キヲのみならずそういう女はある一定数存在したのではないか。この時代だったからこそそれだけ強くあらねばならなかった。そしてそれは女よ立ち上がれという社会に対してのメッセージであったのかもしれない。2025/09/03

Moeko Matsuda

9
長いこと積読していたこちらの本、読み始めたらあっという間だった。めちゃくちゃ強烈。帯には「薩摩士族の娘の苛烈な生」とあるが、その苛烈さの根本は彼女の性格だ。凄まじい男尊女卑の在り方は、読んでいると暗い気持ちになる。しかしそれを跳ね返すキヲさんはあまりにも気が強いし、更にその根本には別種の差別意識が根強くあることが、私自身がこの作品をどう評するか、述べることを難しくしている。ただ確実なのは、要するに一言で言えば、彼女はあまりにも強く、直刃の刀のように鋭いということ。女、だから。魂が震える読書体験だった。2022/12/18

かれーらいす

4
激動の時代を、たった一人で、刀のような言葉で生き抜いた女の一代記。キヲの語りは毒舌で乱暴で、でも不思議と胸を打つ。「自分を信じて、誰にも媚びずに生きる」ことの苦しさと誇りが、全編に満ちていた。2025/06/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/19359020
  • ご注意事項

最近チェックした商品