新潮文庫<br> 硝子の葦(新潮文庫)

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新潮文庫
硝子の葦(新潮文庫)

  • 著者名:桜木紫乃【著】
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 新潮社(2022/05発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101254821

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内容説明

道東・釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が交通事故で意識不明の重体となった。年の離れた夫を看病する妻・節子の平穏な日常にも亀裂が入り、闇が溢れ出す――。彼女が愛人関係にある澤木とともに、家出した夫の一人娘を探し始めると、次々と謎に直面する。短歌仲間の家庭に潜む秘密、その娘の誘拐事件、長らく夫の愛人だった母の失踪……。驚愕の結末を迎える傑作ミステリー。(解説・池上冬樹)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

326
【ドラマ鑑賞済】あらすじはわかっていたはずなのに、楽しめた。未知の北海道の景色に想いを寄せて。つくづく、男と女はドロドロのぐっちゃぐちゃ、なんでもありなんだなあ。「ホテルローヤル」訪れてみたい。2016/12/16

yoshida

257
ラブホテルの経営者の事故死。そしてその妻の自殺。その背景にある様々な人々の愛憎と謎が描かれる。かなり歳の離れた夫の愛人は妻の近親者である。そして、それを承知しながら結婚する妻。また、妻の知人とその娘が夫から受けるDV。そこから逃れる為に妻と知人がとった手段。そこに誘導する娘の存在が恐ろしくなる。何より引き込まれるのはラストのベーカリーの場面だろう。経営者の妻は自殺したのか。それとも生きているのか。呼び掛ける声は計画の崩壊を告げるものであった。読了して表紙のアトマイザーの意味合いが理解出来る。読ませる作品。2018/10/08

さてさて

253
『葦』とは日本神話にも登場する生命力のとても強い、どんな場所にも適応していく力強さを持った植物です。そんな『葦』の前に、脆さの象徴とも言える『硝子』という対照的な言葉を置く「硝子の葦」というこの作品。それは、脆さ、危うさと隣り合わせに生きる女性主人公たちの生き様をまさしく象徴する物語。ドロドロとした人の影の側面をこれでもかと炙り出す物語が、北の国の包容力に包まれて、不思議とさらっとした読後を迎えるこの作品。与えられた境遇の中でたくましく、それでいてしたたかに生きる女性たちの力強い生き様を感じた作品でした。2021/02/03

ノンケ女医長

170
肌を重ねる、男女。相手を次々と変えたり、離婚を繰り返す人生は、果たしてどうなのか。ベッドで共に過ごす時間は、とても気持ちが満たされ、至福そう。それは、お互いが空疎であるからだし、似た立場だからこそ魅了されたんだと思う。自分の全てを清算するため、節子は10リットルのガソリンを買った。夫が事故を起こした翌日に。炎で焼き尽くしても、繋がりを信じて追い求めてくる人が、やっぱりいる。地獄の日々を過ごしてきた人にしか分からない幸せと未来が、しっかりと詰め込まれた小説。これからも、読みたい。2024/11/03

やせあずき

147
読友さんのオススメ。桜木紫乃さん2冊目。正直、手に取ったときはこんなに面白いとは思っていませんでした。桜木さんの文体はすごく自分に合っているようで、いい表現だなぁというところが多数ありました。さらに驚きの展開がいくつも用意されていて、特に終盤にグッと入り込んでしまい、危うく電車を乗り過ごしてしまうところでした。今後も追いかけたい作家さんです。2017/05/18

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