内容説明
ウクライナの国民的作家による「マイダン革命」勃発後半年間の記録と考察。2022年のロシアによるウクライナ侵攻の根源を伝える。世界的なベストセラー小説『ペンギンの憂鬱』の著者であるウクライナの作家アンドレイ・クルコフが、2013年に起きた市民デモ「マイダン(独立広場)革命」の激動の日々――自由を求める市民側と警察や特殊部隊の武力衝突、大統領の国外逃亡、クリミア半島のロシア編入、続く内乱――を一市民の視点から書き留めたドキュメント。池上彰氏のウクライナ解説付。浅田次郎氏推薦。
目次
ウクライナ情勢入門 池上彰
日本語版序文(あるいはあとがき)
ウクライナ日記 2013年11月21日~2014年4月24日
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
135
ウクライナがEUに加盟するのをいかにプーチンが介入して阻止したかがよくわかる。「ペンギンの憂鬱」の作者は、ロシア系でロシア語で作品を書くウクライナ人。その彼が描くウクライナは不穏だ。隣のポーランドやリトアニアも不気味に思えてくる。ロシアが死守したいクリミヤ半島。その理由を冒頭で解説する池上彰氏の解説だけでも読む価値あり。そして、作者のクルコフ氏の手による前書きも理解を助ける。このふたつがなければ、この日記の内容も馬の耳に念仏状態であっただろう。冒頭20ページはコピーして手元に置く。2020/01/31
榊原 香織
84
ウクライナ在住ロシア語作家 ”ペンギンの憂鬱”は愛すべき名作。 民族的にはロシア人だけど私はウクライナ人だ、と著者。 前回のウクライナ危機、クリミア併合前後の日記。現地レポート。ニュースになってない黒い話がいろいろ。 ロシア軍が越境してくるかもしれない、という予感は現実になってしまいましたね。2022/12/04
Willie the Wildcat
50
大国に翻弄され、二分される国民。公共機関が後押しするかのような過程が怖い。但し、国家から個となる情勢が、国民の政治への諦めであると同時に、自らの浄化への決意とも受け取れる。一方、「死者は平和への代価」とする著者の件は、現実として少なからず理解はするが、どうにも納得はできない。救いは、食事や学校行事など、端々に日常生活を維持しようとする人々の気持ちが伝わる点。根っこは同じロシア人とのことだが、そのロシアに愚弄されるかのような状況の皮肉。クリミア返還記念メダルが象徴?!大義とは如何に・・・。2016/06/16
燃えつきた棒
45
著者のクルコフは、ロシア生まれでウクライナのキエフ在住のロシア語作家。 僕も、『ペンギンの憂鬱』の作家の日記ということで手に取った。 この日記が書かれたのは、2013年11月21日〜2014年4月24日である。 当時のヤヌコヴィッチ大統領が、EUとの連合協定への調印を突如延期したことにより、これに抗議するキエフ市民が独立広場(マイダン)に集まったところからすべては始まる。 この抗議運動は、2014年2月18日から20日にかけての3日間の流血の攻防を経て、最終的には2月22日に大統領の国外逃亡で決着する。2022/01/31
Y2K☮
38
2013年11月から翌年4月までの日記。EUとの経済連携協定の見送りに対する抗議でデモが勃発。クリミアがロシアへ編入されたことでさらに激化。気がつくとひどい暴力が日常化している。池上彰いわくプーチンはウクライナを西側との緩衝地帯に留めたいから併合の意図はないとのこと。当時はそうでもいまはどうか。そもそも大国間の暗闘が原因の戦争でなぜ貧しいウクライナが犠牲になるのか。身勝手な理屈で侵略を正当化し、中東の秩序を悪化させたアメリカのイラク戦争から何も学んでいない。国際法に抑止力を持たせて帝国主義再来を防がねば。2022/03/18




