新潮文庫<br> 不思議な羅針盤(新潮文庫)

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新潮文庫
不思議な羅針盤(新潮文庫)

  • 著者名:梨木香歩【著】
  • 価格 ¥572(本体¥520)
  • 新潮社(2022/05発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101253411

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内容説明

ふとした日常の風景から、万華鏡のごとく様々に立ち現れる思いがある。慎ましい小さな花に見る、堅実で美しい暮らし。静かな真夜中に、五感が開かれていく感覚。古い本が教えてくれる、人と人との理想的なつながり。赤ちゃんを見つめていると蘇る、生まれたての頃の気分……。世界をより新鮮に感じ、日々をより深く生きるための「羅針盤」を探す、清澄な言葉で紡がれた28のエッセイ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ

204
居心地のいい場所を探して。なんとなくここは好き。そんな場所を。春。この星に蒔かれた種が芽生えている。ひっそりと根を張っている。今年もまたその美しさに満たされる幸せ。森も生きている。生き物それぞれの思いが複雑に錯綜して重なり合い、一瞬接触しては離れ、また遠く隔てる。刻一刻と様相が変わっていく。これをきっと世界と呼ぶのだろう。…そこに人間も存在している。不思議な羅針盤は何処に連れていくのだろう。昼も夜も眠り続ける、現実逃避は夢の中だけで終わればいいのに。今宵だけでも喧騒の世界から脱して月明かりを眺めていたい。2022/03/17

しんごろ

123
タイトルに惹かれて買ったら、まさかのエッセイ!苦手なんだけど買った以上は読まなきゃと、読んでみたら、なかなか良かったです。金銭と共にやり取りするもの、個性的なリーダーに付き合う、『西の魔女が死んだ』の頃が、ためになったというか、良かったというか、勉強になりました。まさに羅針盤ですね(^^;)2015/11/24

エドワード

93
草花、鳥、野菜や果物、梨木香歩さんの周りにあふれる自然を通して、人間の営みへの思いを綴る、興味深いエッセイだ。人間界においては、駅でのアナウンスの「ああ!」に破顔し、カーナビ嬢と密かな戦いを繰り広げ、新幹線のアナウンスで聞いた「サイトウケイゴ君」の姿を妄想する。動物界においては、新たに越してきた人間をチェックするカラス、罪の意識を感じる犬、枯淡の境地のアオサギの魅力を語る。自身の小学生時代に思いを馳せ、村岡花子さんの言葉「少女の日はなつかしく、また哀しい。」に共感する。私もまた同じ思いを共有する者だ。2015/10/11

ふう

93
梨木さんの作品を読み重ねるたびに、梨木さんの中にある「野生」を感じます。植物が発する生命力、風が運んでくる遠い国の香り、目を合わせて向かい合う人の温もり…。力を抜いて大地に体を預け、心を柔らかくしていないと感じられないようなものを感じとる、繊細で静かな「野生」です。その野生の指し示す方向が、そのまま梨木さんを導く羅針盤となっているような気がします。多分、わたしたちの誰もが体内に持っているのに使い忘れている羅針盤。  以前読んで共感を覚えた「日々是好日」が紹介されていて、そちらもまた読み返したくなりました。2015/10/09

naoっぴ

84
梨木さんの言葉はいつも私の心の奥にしっかり届く。五感に染み入り、安心とか癒しとかを届けてもらったような気持ちになる。何気ない日常の中の小さな出来事、自然を見つめる目、そこから導きだされる梨木さんの思いに共振したときはちょっと嬉しくなったり。エッセイの中で著作「西の魔女が死んだ」や他の本にも触れていて、これも興味深くて読みたい本が増えてしまった。個人的に印象に残ったのは、愛犬と共に闘ったボルゾイ犬の話とカーナビの話。可笑しくて思わず笑ってしまった。2018/05/19

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