内容説明
「なぜ紛争地に行くのか?」――何度となく尋ねられた問いへの答えがここにある。「国境なき医師団(MSF)」看護師として海外派遣18回を経験した著者が、現場で交流した市民や仲間の姿をいきいきと描く。活動中の暮らしや人道援助のエキスパートたちの素顔など、意外なエピソードも満載。国際貢献したい人が本当に知りたいこと、紛争なんて異世界のことだと思っている人に知ってほしいことが詰まった、紛争地医療のリアルが鮮やかに見えてくる1冊!
目次
◆I 忘れられない面影
「世界で一番新しい国」の母子
世界一大きな監獄の少女 ほか
◆II 心の声に導かれ、MSFの看護師に
初めての紛争地で出会った“戦友”
看護の力の真価を知る ほか
◆III 紛争が破壊するもの
ジャーナリズムが報じない“戦後”
なぜ医療施設が攻撃されるのか? ほか
◆IV 医療の前線を支える仲間たち
MSFの“柱”、ロジスティシャンに感謝を
顔も知らないあなたの力~寄付と信頼 ほか
◆V 派遣地での暮らし
“寝床”快適度ランキング
紛争地の「猫会議」 ほか
◆VI 再びの旅立ち
現場を離れ、採用担当に
迷いと葛藤を乗り越え、混乱のアフガニスタンへ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
77
「国境なき医師団」の特徴は「証言活動」を重要な使命と位置付けているところにあるのだそう。国際赤十字の「沈黙のルール」を破り非難の声をあげた医師らによって創られたとのこと。この本もまさに証言活動となっている。紛争地であってもおしゃれをしたり、ゴシップを楽しんだり、敵味方関係なく助け合う姿が描かれている。その描写がいっそう紛争の理不尽、悲惨さを突きつける。人種も宗教も関係なく、奥さんへの返信が遅れて怒られると慌てるような皆同じ人間なのだ。地球上の紛争がなくなるような成熟の域に、人はたどり着けないものなのか。2022/12/10
みさと
4
国境なき医師団(MSF)の手術室看護師として紛争地や被災地で活動した著者が、現地で出会った忘れられない人々と過ごした日々を語る。平穏な日々が奪われ、未来が見えない不安の中にたたき落とされた人たち、それでも一緒に語り合い、笑顔を交わし、食事を共にする。そこに生きるのがかけがえのない一人一人であることを教えてくれる。世界のあらゆる地方に根強く残る男尊女卑の価値観により不自由を強いられる女性たちの姿に、たとい平和であってもそこに内在する大きな問題を突きつけられる。これからMSFでの活動を志す人に向けての応援も。2024/01/15
ゆかるりら
4
幼い頃からMSF=国境なき医師団に憧れ、看護師になり、手術室看護師として世界の人道危機が迫る場所へ派遣された著者。 悲惨な出来事も多いが、それと同じくらい笑顔溢れる事があったんだなと。 命懸けで全く縁の無い国の人の命を助けるのも人間、人道危機をもたらすのも同じ人間という事にジレンマを感じた。2022/07/06
Go Extreme
3
忘れられない面影: 世界で一番新しい国の母子 元少年兵と車いす 世界一大きな監獄の少女 心の声に導かれ、MSFの看護師に: メルボルンで見た国境なき世界 初めての紛争地で出会った”戦友” 看護の力の真価を知る 紛争が破壊するもの: 兵士の治療と国際人道法 医療の前線を支える仲間たち: MSFの”柱”、ロジスティシャンに感謝を ジャガイモと一杯の紅茶 派遣地での暮らし: ”寝床”快適度ランキング 紛争地の猫会議 料理の時間 再びの旅立ち: 現場を離れ、採用担当に 迷いと葛藤を乗り越え、混乱のアフガニスタンへ2022/06/04
takao
2
ふむ2025/06/30
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