内容説明
医療エラーは「どんなときに」「どうやって」「なぜ」起きるのか。ドラマティックな症例を通して、米国の現役内科医が解決策を探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
107
医療は高度に発展したシステムであるが、不完全なシステムである。あくまで医療とは、人が作り上げ、人が研究し、人が運営するものなのだ。報告された医療エラーは誰もがミスした当人に責任を負わせたくなる。だが、医療エラーを低減する重要な手法のひとつは、医師と看護師に考える時間と場所を与えることである。2500年ほど前にヒポクラテスが言った助言「病についていえば、二つのことを習慣にすることー助けること、少なくとも害を与えないことだ」を肝に銘じることに尽きるのである。そして医療安全を第一とする文化を醸成することである。2022/10/28
バーニング
1
ジェイという患者の容態急変からの死亡をなぜ防げなかったのか、というケースを元にしていろいろなことが仮説的につづられていく一冊。本書で扱うケースはジェイを含めて多くはないが、それぞれの章では先行研究の検討を行なっていて、独立した論文としても読めるような構成になっている。複雑すぎる医療システム(制度、組織、慣習、情報環境、労働環境、職種間や他機関とのコミュニケーションなどなど)と人間の個別性(機械ではないので航空機事故を参考にするには限界があるという指摘が納得いく)は想像しやすい代わりになかなか頭が痛い。2022/12/27
Go Extreme
1
ジャンボジェット墜落ーその比喩は正しいか 先が見えない 誤診ーなぜ見のがしてしまうのか 発熱 診断するということ 坂道をころげ落ちるように 電子化で得たもの、失ったもの そのあとのこと 時間に追われて 立場がちがえば 法廷で会いましょう もっとよい方法はないか? 答えを求めて 頭を使え どこにエラーがあったのか では患者はどうすればいいのか 本当にエラーを減らすために 人間工学・物事を本質的に安全なものにする研究分野 医療のエラーの低減に人間工学を利用 認知機能への負担 医師と看護師に考える場所と時間を2022/07/11
ゆうやけPC
0
読みにくい文章がダラダラ続く出来損ないの小説みたいな本だった。感想としては金返せ。2023/01/26
ソーシャ
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「医療エラー」をテーマにしたオーフリ先生の新著。電子カルテ(EMR)などのテクノロジーに翻弄されたり、大量の患者さんを診ないといけなかったり、医療施設の文化の問題があったりと、医療事故の背景にある様々な要因を著者の日常や実際のエピソードを交えて描いたエッセイ。同業者なら身につまされるであろう、著者の書きぶりは相変わらずで、これまでの自分の仕事ぶりを思い出しながら読みました。特に何も悪影響がなかった場合に、自分のミスに向き合うのってすごく難しいですよね。2022/10/15