内容説明
“燃える闘魂”と“東洋の巨人”の終わりなき物語。
昭和のあの頃、金曜夜8時に「男の子」はみんなテレビの前にいた――。
アントニオ猪木とジャイアント馬場は力道山門下で同日デビューし、やがて最強タッグ「BI砲」で頂点に上り詰めた。
その後、独立してそれぞれの道を歩み、二人は仁義なき興行戦争へと突入していく。
プロレスラーとしての闘いからプロデューサーとしての闘いへ。
猪木と馬場のライバル物語を追うことは、もちろん日本のプロレス史を辿ることであるが、本書の内容はそれだけではない。
プロレスの本質を理解するための視座を伝える一冊である。
目次
プロローグ
第1章 宿命のライバル
第2章 青春のプロレス
第3章 新日本プロレスと全日本プロレス
第4章 馬場のプロレス観と猪木のプロレス観
第5章 “格闘技世界一決定戦”猪木VSアリ
第6章 馬場プロデューサーと猪木プロデューサー
第7章 “昭和プロレス”の終えん
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ma-bo
59
お二人のキャリアの後半に関してはバタバタと駆け足での記述の気がしたけど、デビューの頃の話や、シングルマッチは馬場さんの圧勝だったり、タッグを組んでいた頃の内容の方が私的には興味深かった。2022/09/08
akihiko810/アカウント移行中
29
昭和プロレスラー二大巨頭、猪木と馬場の足跡を追い、昭和プロレス史を俯瞰する。印象度A- 昭和プロレスの入門としてはわかりやすく、面白かった。 猪木と馬場のプロレス観の違い、そして馬場が意外にも猪木をかなり意識してたのがわかった。猪木が退き、坂口征二が社長になった新日と、馬場の全日が和解し、提携してたのは初めて知った2023/12/09
nishiyan
14
長年、プロレス報道の第一線に携わっていた著者によるアントニオ猪木とジャイアント馬場の対比評伝。同じ年に力道山門下になった二人は対照的なキャリアを歩み、それ故に対照的な団体を率いるようになる様を淡々と描きながら、時に著者の思い出と坂口征二、徳光和夫の証言を交える構成は面白かった。惜しむらくはキャリア晩年はやや駆け足だったところ。新日の分裂劇はよく話題になる話だが、全日の天龍の離脱劇やジャンボ鶴田クーデター未遂事件、新日との引き抜き合戦の裏側など、プロモーター馬場正平の闇を掘り下げて欲しかったかしら。2022/12/18
クサバナリスト
14
プロレスファンしか興味ない内容だが、「新書」で出版したことで、プロレスファン以外の読者も少し確保出来たのでは? 内容的には、殆ど知っていることだったが、知識の確認なった。 柔道は、東京オリンピックの次のメキシコでは種目から外されていたことを初めて知った。2022/07/10
ジュンジュン
13
馬場には馬場の、猪木には猪木の生き様があった。還暦までリングに上がり、生涯現役のまま逝った馬場。難病に侵されながらもなお、燃え尽きるまで闘魂だった猪木。両雄の雄姿をリアルタイムで見続けた著者の、これはセンチメンタルジャーニー。だから、時代が下れば下るほどスピードが上がっていく。それでいい。ダブルキャストの大河ドラマを描くのに、新書一冊じゃ全然足りないから。2023/04/23