キリンを作った男――マーケティングの天才・前田仁の生涯

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キリンを作った男――マーケティングの天才・前田仁の生涯

  • 著者名:永井隆
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • プレジデント社(書籍)(2022/05発売)
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  • ISBN:9784833424608

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内容説明

【内容紹介】
「一番搾り」「淡麗」「氷結」を生んだ伝説のヒットメーカー初の評伝!!

戦後のキリン最大のヒット商品である「一番搾り」をはじめ、「ハートランド」、発泡酒の「淡麗」「淡麗グリーンラベル」、第3のビール「のどごし」、そして缶チューハイ「氷結」・・・・・・。
これらはみな、一人の人物が作った商品である。
その人の名は、前田仁。
手柄を部下に与える上、マスコミ嫌いだったこともあり、世間的には「知る人ぞ知る」存在だったが、飲料業界では名の知れた不世出の天才マーケターである。

戦後長らくビール業界のトップ企業だったキリンの、絶対的な主力商品は「ラガー」だった。
だが前田は、商品を開発するにあたって「打倒ラガー」を掲げる。
なぜ前田は、自社の主力商品を潰そうとしたのか――。
そして、いかにして凋落する名門企業を復活させたのか――。

いつもニヤニヤ笑顔で飄々としていたが、部下からの信頼は厚く、上司に対しても決して忖度はせず、常識や前例にとらわれない発想で次々とヒット商品を生み出した前田仁のマーケター人生に、ビール業界を30年以上取材し続けてきた著者が迫る。

「キリンの天皇」と呼ばれた本山英世や、サントリーの佐治信忠会長、前田を師と仰ぐ現在の湖池屋社長・佐藤章(元キリンビール)、前田の部下だった漫画家のしりあがり寿はじめ、ビール業界の傑物たちとの秘話も明かされる。

ビールが最も熱かった時代に、変化を拒む巨大企業の中で、権謀術数や子会社への左遷などの逆境を乗り越え、信念を貫き続けたヒットメーカー初の評伝!

【著者紹介】
[著]永井 隆(ながい・たかし)
ジャーナリスト。1958年生まれ。群馬県桐生市出身。明治大学卒業。日刊紙「東京タイムズ」記者を経て、92年に独立。ビールや自動車などの企業活動をはじめ、組織と人との関係、人事制度、外国人労働者などをテーマに、新聞・雑誌・WEBメディアにおいて幅広く執筆活動を行っている。中でもビール産業については、東京タイムズ記者時代を含め、30年以上取材を続けている。主な著書に、『サントリー対キリン』『アサヒビール30年目の逆襲』『ビール15年戦争』『ビール最終戦争』『EVウォーズ』(以上、日本経済新聞出版社)、究極にうまいクラフトビールをつくるキリンビール「異端児」たちの挑戦』(新潮社)『、移民解禁』(毎日新聞出版)、『ドキュメント 敗れざるサラリーマンたち』(講談社)など多数。

【目次抜粋】
第1章 打倒「ラガー」極秘作戦
・ラベルのないビール
・「ラガー」という聖域
・殿様商売
・「ハートランド」の裏コンセプト

第2章 大いなる助走
・屈折を抱えた少年
・花の73年入社組
・桑原学校

第3章 「スーパードライ」の衝撃
・「どぶ板」の営業部隊
・黙殺されたレポート
・住友銀行から来た男
・「ドライ戦争」勃発
・「魑魅魍魎」巣くう伏魔殿

第4章 「一番搾り」が生まれた日
・ロングセラーの条件
・麦汁の一滴は血の一滴
・「天皇」への直訴
・「ラ党の人々」事件
・突然の左遷

第5章 首位陥落
・アサヒの罠
・ラガーvs一番搾り
・生ビール化の失敗
・暗黒時代

第6章 天才の帰還
・本社の最年少部長へ
・「発泡酒はまがいもの」
・「淡麗」の新しい価値

第7章 ホームランバッターの嗅覚
・ヒットの予感
・安売り合戦
・「淡麗グリーンラベル」ヒットの理由

第8章 「異質」が生んだ「氷結」
・子会社の男
・打倒サントリー
・缶チューハイの革命児
・運命のネーミング変更
・前田が撒いた「種」
・マーケティングで一番重要なこと
・あえてダサく作れ

終章 昔話では食えない
・ゲームチェンジャーとしての「極生」
・困った時の前田頼み
・幻のサントリー統合計画
・キリンとの別れ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

116
かつてはガリバー企業だった麒麟麦酒さんで、ラガーの成功体験を打ち破るべく活躍した伝説のマーケター前田仁さんの物語。一番搾り、淡麗、氷結などは、この人が作り出したという。私心のない凛とした生き方が多くの人たちから慕われる一方で、「出る杭は打たれる」の妬みにあって左遷されるなど、大企業ならではのドラマが展開する。それでも、危急存亡の段階で、この人を活用する体制を作れたことが、この会社の強さなんだろう。著者はビール業界に詳しく、スーパードライの衝撃から、発泡酒、缶チューハイに至る業界の戦国絵巻もよくわかった。2022/11/22

R

52
一番搾り、淡麗、氷結などの開発にこの人がいたというお話なんだが、自分がお酒を飲みだした頃の酒造メーカーの闘いがメインなので、実体験とリンクしてものすごく面白かった。殿様商売をしていたキリンの凋落と復興の真ん中にいたという話も相当に面白いんだが、アサヒのスーパードライの凄さというのも読み取れて、自分がビール飲めるようにしてくれた酒だけに、そのカラクリともいえる本質がわかってよかった。飲料開発の舞台裏が見えるようで、マーケティングの本としても抜群に面白い。2023/02/25

kanki

26
NF。シェア6割企業キリンは殿様商売で活力低下。保身と権力闘争の社内。面白かった2022/12/17

はやたろう

15
キリンで一番搾りや淡麗、氷結を作マーケター前田仁氏にフューチャーしたドキュメント。ラガーと言う無敵の商品にあぐらをかいてきたキリンで異質の存在だった前田が次々とヒット商品を作ってきた。その仕事に対する姿勢が素晴らしい。2024/01/25

わらわら

15
一番搾り、ハートランド、淡麗、淡麗グリーン、のどこし、そして氷結を世に出した男、前田仁氏。私の記憶にある(子供の頃)ビールは麒麟である。大瓶でワンケース酒屋さんが配達していた、大人になっていくにつれビールも変わっていった、缶ビールになりスーパドライが麒麟を抜いた。前田仁氏のセンスあるマーケティング魅力だがビールの流れも記憶を読み戻す本である。「一番搾り」、懐かしさも重厚さも感じさせるビールのように思う。今のCMがいい、媒体にのせるには一つのセンスが必要と思う。前田仁氏の世界がここに生きている。氷結もいい。2022/11/03

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