内容説明
女優業の店じまいを決めた。八十一歳。多少の残りを大切に、自分自身に恥ずかしいことのないように、明るく楽しく暮らしたい――。四十年余り住んだ東京の家から海の見える住まいに引越した最晩年の日々。「老い」を冷静に見つめ、気取らず構えずユーモア溢れる筆致で綴る。永六輔との対談「お葬式を考える」を増補。〈巻末エッセイ〉北村暁子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
shio
40
NHKで沢村さんの料理番組があるようで最近著作を目にします。30年前の本の再文庫化。表紙のドーナツがカワイイ!80代になり、長年住んだ東京を離れ、海を眺めて暮らすため湘南のマンションへ引っ越し。「つまらない慾もなくなって、ごく自然に幕をしめる」ためだそう。着物や本、家財道具や庭木も置いて。最近老活の本も増え、少しずつ老い始めを感じるようになったこの頃😅私はどんな老人になるのかなぁ、なんて少し思うように。1908年生まれの沢村さん、しかも元女優さんとは生きた時代も場所も違うけど、老いの感じ方は同じかも。2022/08/10
Shoji
36
年輪を積み重ねて、仕事もリタイアして、健康で夫婦円満。幸せなおばあちゃんだなと思った。なんだかいいな。2022/09/12
ごへいもち
22
読み終えて寂寥感…。1908年生まれで大学に行ったというのは当時で言えば相当なエリートだろうなぁ。2022/06/17
柚木あんづ🍉
17
『わたしの献立日記』の沢村貞子さんが、最晩年に書かれたエッセイ。ユーモア溢れる文章だけど、日々を楽しむこと、相手を思いやること、常識に縛られずに自由でいることなど、その夫婦のあり方には、一貫した哲学が感じられました。〈今日も互いの老齢をいたわりあい、声をかけあい、すこしずつ、ゆずりあって…よろめきながら、暮らしている。〉ほんと、そんなふうに穏やかに幕をおろすことができたら、最高だなぁ。「老い」をマイナスに考えてしまいがちな、現代を生きる私たちにそっと寄り添ってくれるような、素敵な一冊だと思いました。2022/05/31
ken
4
筆者の沢村貞子に興味を持ち、彼女に生涯を知るにあたり、その最期に感じ入った。晩年は尊厳死の必要性を解いていた彼女。動かない身体に鞭を打ち、這ってまで自分で排泄を行い、死期を悟ると自分から食を断ち、周囲に迷惑をかけたくないという思いから最後は自宅でひっそりと亡くなったということ。その死はとても寂しいものだったかもしれない。だけど彼女は自分自身の尊厳を守り、自分の死を自分のペースで迎えたかったのだと思う。後書きの夫の言葉。「自分の死を心ない他人に邪魔されるのはごめんだ」は忘れちゃいけない言葉だと思う。2026/04/08
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