内容説明
朝日屋の店先に現れたのは、お伊勢参り中の……犬!? 居合わせた客に「親切にしてやらなきゃ、罰が当たる」と言われ、おかげ犬の獅子丸の面倒を見ることになったが――(第三話 おかげ参り)。新たな仲居おふさも迎え、今日も珍客万来の朝日屋。そんなある日、下足番の綾人は気になる人影を目撃する。文庫書き下ろし。
目次
第一話 早咲きの梅
第二話 新しい仲間
第三話 おかげ参り
第四話 雨の朝
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
82
まんぷく旅籠の朝日屋。これまでの宿泊人がたった2人というまだまだ知名度の低い旅籠だが、料理屋としては美味しい料理に惹かれて毎日商売繁盛。泊まった2人の客が道中宣伝をしてくれたおかげで、旅籠もだんだん繁盛してくる。が、何せ人手が足りない。何だか調子のいい女中が入ったはいいがこれまたとんでもない女。次に雇ったのは大店の訳ありの不良娘。色々あったが、この娘に決定。お伊勢さんに代参中の犬が旅籠にひょっこりと現れる。ひょんな事から共連れができて共に旅立つお伊勢までの道中ご無事で。次回が待たれるラストの気配。2022/06/05
tomtom
21
新しい仲間が増えるといいなと思っていたので、嬉しい。当時おかげ犬がいた事は知っていたけど、本当に犬がお伊勢さんまで行って帰ってこられたのかな。2024/01/16
ごへいもち
12
特段のこともないのでこのまま続けて読むかどうか迷う2023/06/26
ふわりん
10
今回も朝日屋にはいろいろな出来事が降りかかり、その度に皆んなの結束が固くなったと思う。おえんが朝日屋を目の敵にしている誰かの差し金かと思ったけど、ただの綾人ファンの過剰な思い込みで良かった〜。おかげ犬のことは他の小説で読んで知ってた。あの時代おかげ犬が背負った包みのお金はほぼ盗まれることはなく、それどころかおかげ犬を厚くもてなしたようだ。江戸時代の人たちは現代人よりも信心深く優しい心の持ち主だったのかな。さてちはるは今回ちょっと立ち止まってしまい慈照にまた一歩歩き始める力をもらう。次は何が起こるんだろう。2025/06/04
フキノトウ
10
肌寒くなってきたので熱々の蒲鉾や、がんもどきの美味しそうなこと。不穏なラストでした。2022/09/26