ナイトランド叢書<br> 幽霊海賊

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ナイトランド叢書
幽霊海賊

  • ISBN:9784883752072

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内容説明

航海のあいだ、絶え間なくつきまとう幻の船影。
夜の甲板で乗員を襲う見えない怪異。
船員としての豊富な経験を元に、底知れぬ海の恐怖を描く、ホジスン本領発揮の怪奇小説。
本邦初訳!

「異次元を覗く家」「〈グレン・キャリグ号〉のボート」とともに《ボーダーランド三部作》と呼ばれる幻の傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

52
古式ゆかしい怪奇小説が、このご時世に読める幸福に乾杯。『夜の声』や『海ふかく』に連なるマシスンの海洋怪奇小説だが、短編よりもこちらの方が何かが起こっているという小さな恐怖を積み上げている手法には適しているように思う。怪異の正体こそ「夜の声」や「廃船の謎」みたいにとんでもない以外というわけではないが(ある意味意外といえば意外だが)、そこに至るまでの積み重ねが何とも言えない。逃げ場のないクローズドサークルでだんだんと被害者が。という展開も王道。やはりホラーでもなく怪談でもなく、まさに怪奇小説そのものであった。2015/11/17

星落秋風五丈原

30
船乗り経験を生かした著者のホラー。入れ子構造。船に乗っていると海から何者かが現れてまた去っていく。最初は人影だったのが船になりとうとう襲ってくる。結局船長や航海士は知ってて見えないふりをしていたのか謎。段階を追って恐怖の対象をレベルアップしていくのは王道。これつけてくれている船の専門用語をちゃんと頭に入れないと人物の移動具合がわからなくて面白さが半減しますね。2015/09/25

りー

25
コッテコテの海洋怪奇小説。怪異自体は古典的とはいえ、その解釈なんかはSFに通ずる様な部分もあったりして興味深いし、メリハリの効いた展開は読者をしっかり惹き付けるだけの面白さを備えているし、タイトルから想像される程B級臭はしなくて、ちょっぴり残念だったのは内緒。しかし一番の見所は、怪異のクライマックスのシーンで船員達がマストの上をひらりひらりと飛び回るのだけれど、その行ったり来たりしている場所が全部船舶用語で構成されているので、せっかくの躍動感が素人には一切伝わってこないところなのだ!うん、やっぱりB級!2015/09/04

かわうそ

24
怪異を積み重ねてジワジワと雰囲気を盛り上げる構成は正統派の古典的怪奇小説という感じで楽しく読めた。怪奇現象が発生するシステム・超自然の存在と現実の位置関係が独特で面白い。今読むとちょいシンプルすぎる感じもするけどそこはそれ。2015/10/24

Kouro-hou

22
ナイトランド誌休刊と共に消えたナイトランド叢書企画が、ナイトランド・クォータリー誌と共に復活。海洋ホラーの古典でン十年前から何度か翻訳の噂のあったボーダーランド三部作の一つ『幽霊海賊』(1909)が第一弾として登場したのは喜ばしい限り。イギリスへ向かう商船上の怪異事件を書いたオール海上ロケ作品で、同様の怪奇短篇を多数書いた著者作の中でも展開が細かく丁寧で段階を踏む長篇仕様。次第にやりたい放題になってくる怪異群のビジュアル表現は100年前の作品とは思えない現代風。ホジスンは船員時代に海に何を見ていたのか?2016/04/04

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