内容説明
精神病者や障害者に対するスティグマが、時勢や文化に応じ、いかに繰り返し再構築されてきたか。心理人類学の視点で建設的に見直す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
17
正常か異常かを分ける境界線も異常だとされた人々に貼りつけられるスティグマも当然だけれどその時代や属している社会により異なる。タイトルにもあるように人間なんて丹念に調べてしまえば「誰も正常ではない」のだ。どのような価値観により生み出され運営される社会でも決してスティグマはなくならないのだろうけれど、それを可視化し科学的に解体しようと試み続けることで、その発生を限りなくゼロに近づけることはできるのかもしれない。文化がスティグマを発生させるのなら、文化を変えることで丹念に一つずつ潰していけばいい。2023/09/26
CBF
3
(★★★☆☆) 文化が、精神疾患や発達障害をスティグマに結びつけられるのなら、間違いなく文化は、その結びつきに切れ目を入れることもできるはずだー。 精神疾患や障害の定義がいかに曖昧で、時代によって恣意的に作られて来たかがよく分かる。結局、正常と異常をスパッと境界線で分けることなんてできない。興味深かったのは、"日本人が感情的な重みを和らげるために、メンタルヘルスのような外来語をそのまま使っている"というくだり。鬱を心の風邪って呼ぶのもそうだけど、確かに言葉一つによってもかなりイメージは変わる。2023/07/11
戸部アンソン
3
人生観が変わるくらいに面白い 精神科医学の黒歴史 いまだに偏見はあるが ニューロダイバシティの時代に生まれてよかった デマでも体調が悪くなるんだから 人間の脳を含めた身体は信じやすいんだろうなぁ コロナも この本読んでいたら対応変わってたかもしれん 2023/03/10
花梨
3
難しかった。筆者は精神科医一族に生まれ、筆者自身は人類学者の道を選んだようだ。自閉症の研究もしている。精神病というのは資本主義によって発明され戦争で急速に変容していったものだという。資本主義的な西洋社会においては隔離されるものだが、他の社会においては必ずしもそうではなくスティグマを伴わない場合もある。スティグマは決してなくならないけれども、可視化、プロセスを重視する事で変えて行くことができるのではないか。とても好きなタイトル。2022/07/18
Go Extreme
2
資本主義: 「自立」のイデオロギー 精神病の発明 分裂した身体─性と分類 分裂した心 戦争: 戦争のさまざまな帰結 祖父がフロイトから得たもの 戦争はやさし ノーマとノーマン 忘れられた戦争からベトナム戦争へ 心的外傷後ストレス障害 病気の予期 身体と心: 病気の可視化 他のどんな病気とも変わらない病気? ECTという魔法の杖 心について話す身体 ネパールで身体と心の橋渡しをする リスクを負うことの尊厳 スペクトラムについて2022/07/17
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