中公文庫<br> 数学の世界

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中公文庫
数学の世界

  • 著者名:森毅【著】/竹内啓【著】
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 中央公論新社(2022/05発売)
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  • ISBN:9784122072015

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内容説明

対談、座談の多い印象のある森だが、この本はその中でも出色の一品。大抵の場合、森毅のキャラクターが場の空気を制圧して、対談全体がゆるくホニャララなものになってしまうところ、終始冷静な竹内啓は森が出す論点(そして小ネタやとぼけ)のことごとくに異論をとなえ冷水を浴びせかける。
 こうして、森の面白おかしいネタへの脱線と、それに応じない竹内の生真面目な切り返し、森の縦横無尽に展開する雑学と竹内の実用知の経験とが混じり合い、絶妙の汽水域を作り出していて、数学の純粋な楽しみと応用の豊かさ、そして自由さや厳密性がモザイクと化して、数学の多面的な魅力を描き出し、数学オンチの自分が、それでも諦め悪く数学と付き合い続けるルーツとなっている。
(読書猿――〈web中公新書〉「私をつくった中公新書」より)

人間の考えることがつねに不完全である以上、数学にも人間の考えの「不完全さ」がいろいろな形で反映している。数学は「絶対に正しい」ものではない――。
教育にも深く関わる数学者と、数学の社会的役割に関心をよせる統計学者による討議から、人間の文化を豊かにする数学の多面的な魅力が浮かび上がる。
解説は、『独学大全』の読書猿。

【目次】
 はしがき  竹内 啓
第一部 数学の世界を獲得する
 数学と論理
 基数・序数・自然数
 たす・ひく・かける・わる
 連続量と実数
 関数
 代数系
第二部 数学の世界をふりかえる
 ギリシャ 数学の世界の誕生
 イスラム 代数の発達
 十六、十七世紀 数学の世界の大展開
 十八世紀 偉大な職人の世紀
 十九世紀 専門家の時代
 現代 構造解明の数学
第三部 数学の世界を楽しむ
 あとがき  森 毅
 文庫版のためのあとがき 竹内 啓
解説 読書猿

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

原玉幸子

15
私にとっては、懲りずに又してもの「数学とは何ぞや」への挑戦でしたが、残念乍ら(当たり前の様に)第一部の「基数と序数の区別」から、今迄私がイメージしていた「何ぞや」は瓦解してしまいました。理解出来ないのは恥ずかしくても再読候補にはならず。第二・三部の数学の歴史や社会性だけで良かったのに。近時は理論体系化を求める傾向にあると対談者の二人は言い合っていましたが、そもそも数学はアウフヘーベン的になっておらずに、個々独立し細分化されたクイズの集積?との直感(先入観)を拭い切れず。(◎2023年・春)2023/04/23

Mori

12
この本を読んだ上であらためて、高校数学の勉強をしてみようかと思った。枝葉を拡げることで、根を深く張り巡らすことができるのではないかと思う。2023/01/14

メガネ@ポテトライナー

8
数学者(数学を仕事にしてるひと)の対談。正直噛み合ってないかんじは否めない。ほとんどよく分からないまま読んでしまったけど、前半の足し算や引き算の原理的な考え方(寄せ算=測度型、数え足し=ベクトル型)はとても面白かった。これらを渾然一体としていることが、中学校で負の数の入ったときに分からなくなる原因なんですね。。。2023/01/10

kenitirokikuti

8
1973年の中公新書の文庫化。本書、いま読んだのでないのだが、わたしは数学科(中退)という身分なので、たぶん高校のとき読んだことあるはず。スプートニク・ショックとか、フランスのブルバキとかあって、日本の高校数学がめっちゃ難しくなった時期の対談である。解説で読者猿氏が約50年後の答合わせとして、鳴り物入りで導入された数学の現代化要素(集合論のあれとかね)は1977年度の中学の指導要領から基礎的基本的でないとして削除。もっと後には、高校数学に大幅な選択制が導入され、必修は数Ⅰのみとなった。2022/08/07

丸々ころりん

7
世界は数学で成り立っていると言われるけど苦手者には理解し難い。数学音痴でも付き合い続ける為の本と言う一冊の帯に惹かれて購入。 やはり基礎理解があやふやだと難しい。自ら学ばないと身に付かないものと再認識。2022/07/17

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