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内容説明
近世から現代まで、ヨーロッパ諸国、中国、日本などから外来者が多く訪れ、交易をし、また植民地支配を行った東南アジア。そこでは、人喰いの風聞を広める人、現地人女性、ヨーロッパ人と現地人の間の子孫、華人などさまざまな存在が、外の世界と現地の間に介在していた。その様相を見ると、いかに多様な人々が各地に存在し、複雑な関係を持っていたか、各地の国民国家形成に影響を与えたかがよくわかる。主に東南アジア海域を舞台に、前近代と近現代、西と東をつなげる画期的な一冊。
目次
はじめに
東西世界をつなぐ海の東南アジア
近現代東南アジアを形成した人々
第一章 近世東南アジアの港市──多様なネットワーク
1 東南アジアの自然環境と人々
地形と生態環境
言語と住民
小人口と社会形成
2 東西海洋交易活動と多様な来訪者
港市国家の台頭
「交易の時代」の東南アジア
コスモポリスの港市
3 港市の社会統合と王権の強化
イスラムの受容
上座部仏教と外来者
広域世界秩序の媒介役
4 東南アジアの「人喰い」風聞と地域秩序
東南アジアの入口における「奇習」
北スマトラの食人風聞
南シナ海の食人風聞と屍頭蛮
マルク諸島の食人風聞と女性
第二章 外来者と現地人女性
1 東南アジアの女性と商業活動
市場と女性
王国の経済活動と女性
ポルトガルの来航とムラカ王国
王国の滅亡と美女トゥン・ファティマ
2 外来商人と現地人女性
外来者と現地人女性との結婚
一時妻の周縁化
外来者と奴隷
3 近世東南アジアにおける日本人の活動
奴隷と傭兵
朱印船貿易と東南アジアの権力者
山田長政とアユタヤ王プラサートーン
日本人の活動と東南アジアの社会統合
バタヴィアの日本人女性
4 植民地支配者と現地人女性
オランダとマタラム王家
ジャワの社会統合と女性
オランダ人と元パジャジャラン王女の女奴隷
第三章 近世後期の東南アジア社会──現地人首長とヨーロッパ勢力
1 清朝の隆盛と東南アジアの経済活動の活性化
東南アジア大陸部の王朝の交代
島嶼部東南アジア社会の動向
イギリスの海峡植民地形成
王国の統合と宮廷文化の成熟
ムスリム支配者とアラブ人宗教家
2 社会統合と女性
近世後期の宮廷女性
華人とニャイ
バタヴィアの社会統合とニャイ
近世後期の食人の語りと女性
3 海峡植民地と海賊
ラッフルズの自由主義プロジェクト
シンガポール建設
シンガポールの発展と海賊
現地人支配者への協力依頼
4 植民地支配と現地人有力者
ラッフルズのジャワ統治
ジャワ戦争と強制栽培制度の導入
強制栽培制度と現地人首長
東インドのヨーロッパ人
第四章 植民地支配の拡大と外来系住民
1 東南アジアにおける植民地勢力の拡大
島嶼部における植民地支配の拡大
英領マラヤ・北ボルネオの形成
スペイン領フィリピン
ビルマの植民地化
フランス領インドシナの成立とシャム
2 植民地体制下の東南アジア社会の変容
植民地体制下の統治制度
輸出用第一次産品の開発
英領マラヤの鉱山企業と大陸部の米のプランテーション
交通通信手段の発展
学校制度の拡充
3 植民地支配体制の確立と仲介役の変容
スペイン系メスティーソの在俗司祭の活動
プロパガンダ運動とフィリピン民族主義
フィリピン革命
4 東インドのユーラシアンとニャイ
植民地体制下のヨーロッパ系住民
「白人」の文明の使徒意識とニャイ
ユーラシアンの描くニャイ
ユーラシアンの運動
第五章 新たな内と外の構築と国民国家
1 植民地体制下における諸集団の統合と分化
イスラム同盟と東インド党
ムスリムvsニャイ・ユーラシアン
社会主義とイスラム
インドネシア共産党の成立とヨーロッパ系住民の離脱
社会主義思想とニャイ
社会主義と東南アジアの民族主義運動
2 原住民と非原住民との結婚
一九三〇年代の東南アジアの民族主義運動
東インドにおける「混淆婚」の増加
インドネシア民族意識と母親像
新婚姻法案
ミアイ(インドネシア・イスラム会議)の結成
3 日本占領期東南アジアの社会変容
日本の東南アジア占領
大衆動員と東南アジア社会の変容
日本軍政と独立運動
4 国民統合への道程
インドネシアの独立
インドネシアの国民統合
開発独裁体制と家族像
開発独裁後の諸勢力の分立と仲介役
おわりに
あとがき
参考文献
感想・レビュー
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