内容説明
男の急所を包む大事な布の話──明治になって服装は西欧化したのにズボンの中は古きニッポンのまま。西洋文明を大和心で咀嚼する和魂洋才は見えないところで深みを増し三島由紀夫に至った。『パンツが見える。』に続き、近代男子下着を多くの図版で明るみに出し、論考する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
umeko
12
確かにパンツ一丁では様にならないが、ふんどしは様になる不思議。そんな疑問に対しては少々物足りなさを感じるものの、ふんどし姿の写真の多さに非常に満たされる。(変な意味ではなく。)2022/11/28
kenitirokikuti
9
1955年生まれの井上せんせ、銭湯でふんどし締めた男を見た記憶を語る。井上せんせ自身はおむつが取れてからはパンツ、ブリーフである。しかし、祖父はもちろん、父もふんどしであったという。また、少し上の団塊の世代ぐらいなら小学校のときプールでふんどしだった(女子はスクール水着)例も多いとか▲鬼滅などこ同人誌(R18)で、ふんどしについて着目してみよう…。ふんどし…刃牙の花山薫かな、ぱっと浮かぶの▲大陸や朝鮮には締めるタイプのふんどしはないそうな。締めるふんどしは、南洋一帯など。そういやそうだね…2022/05/15
マカロニ マカロン
7
個人の感想です:B。明治維新後西洋化でで男性の服装皮切りに皮切りに洋装が増加したが、下着はふんどしが1950年代前半まで主流だった。一方女性は仕事着が洋装でも通勤着は和装が主流、昭和初期の外出着で男は洋装女は和装というのが一般的。しかし下着は西洋式の「ズロース」を付けるようになり、下着の洋風化は男女逆転した。本書では特に軍隊、水泳、労働着では褌一丁が恥ずかしいとも思われていなかったその風俗について158枚の豊富な図版を基に解説していく興味ある服飾史、文化史だ。1960年代田舎の伯父は褌一丁で晩酌していた2022/11/27
らくだ
6
ふんどしは20世紀半ばまで、日本では洋装の下着として一般的だったそうです。また「褌一丁」は、正装として恥ずかしい恰好ではないみたいですね。いわれてみれば、今でも祭儀やお相撲のまわしなんかもそうですね。環太平洋文化の特有もので、大陸からの影響が強い日本伝統文化のなかでは、特殊な事例かもしれません。2022/06/26
乱読家 護る会支持!
5
そういえば、僕の高校時代、林間学校で化学の先生が褌姿でした。 それ以外は、お相撲さんの「廻し」以外は生で褌姿を見たことが無いです。 男子の場合、下着でも水着でも、「ポロン」が気になるのですが、褌はそのリスクが高いし、、、毛は確実に見えるし、、、 トイレはめんどくさく無いのだろうか? とか、、、いろいろ考えました(笑) 本書には問いかけはあっても答えは無いのですか、なぜ男性下着はパンツに変わっていったのでしょうね。 ということで、研究としては、ちょっと中途半端感が否めない本でした。 2022/10/20