内容説明
「論理」を鍛え、「問題」と向き合う!
反出生主義に教育問題、ルッキズムからAI脅威、意思決定論まで。誰もが遭遇する人生の身近な事例を手掛かりに、「教授」と「学生たち」のディベート形式で、哲学的論点を浮かび上がらせる。NHKブックス『哲学ディベート』以降に登場した、新たな思想潮流や現代特有の課題を集中的に取り上げ、思考法とアプローチを同時に身につけることを目指す、画期的哲学入門!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sam
53
「出生前診断と反出生主義」から最終章の「異種移植とロボット化」まで、現代において避けられない5つの重要テーマを著者お得意のディベート形式で論じたもの。決して深く掘り下げてるわけではないのだが「なるほどなあ」と思わされるような様々な論点が提示されていてとても参考になった。一方で、著者の「限界3部作」ほどにはディベート形式が効果的に使われてないようにも感じた。内容に関しては「自動運転とAI倫理」の章で紹介されている「モラル・マシン」、最終章の「マインド・アップロード」の話などが特に興味深く、印象に残った。2022/06/03
サケ太
15
著者の本は初読み。非常に興味深い。様々な問題について非常に無知なのを改めて自覚。諸問題に関して、掘り下げて別の問題を浮き彫りにしていく過程は面白かった。理屈をもって弁論する。読んでてかなり楽しい。2022/05/24
takka@乱読
15
NHKブックスの『哲学ディベート』を読んだことがあり、それの続編かなと思い購入。実際そのとおりで、この2冊の間に『自己分析論』(未読)がある。高橋昌一郎氏の哲学の文章は、討論形式で書かれており、非常に読みやすい。ただ、読みやすいがゆえにそれ以上考えるというのがなかなか難しいのだが。そして、もう一ついい点が、文学や経済学、理学や医学などいろんな観点から議題に対する意見が集約されているところだ。「哲学は全ての学問の源泉」という言葉ををそのまま著すスタイルは毎回感服する。2022/05/13
かんがく
12
ディベートの様子を書いた本というよりは、これからディベートするにあたっての題材と様々な視点を与えてくれる本。自動運転車による倫理判断の章が一番面白かった。2022/07/29
つっきー
4
どの論点も旬な話題で面白いんだけど、特にAIと自動運転の章が面白かった。運転苦手だから高齢者になったときにレベル4くらいの自動運転技術が普及しててくれると助かるな〜なんて楽観的に考えてたんだけど、問題はもちろん色々あるよね😅倫理をAIに渡したくはないという気持ちがある。基本的に理学部Dくんに立場は近いけど私はエピクロス派じゃなくてアリストテレス派……2022/08/11