複雑性PTSDとは何か - 四人の精神科医の座談会とエッセイ

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複雑性PTSDとは何か - 四人の精神科医の座談会とエッセイ

  • ISBN:9784772418904

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内容説明

複雑性PTSD(Complex post-traumatic stress disorder;CPTSD)とは,心身への組織的暴力,家庭内暴力や虐待など長期反復的なトラウマ体験の後にしばしば見られる,感情などの調整困難を伴う心的外傷後ストレス障害(PTSD)である。国際疾病分類(ICD-11)において初めてPTSDと区別された診断基準として記載され,診断名として2022年1月1日から正式に発効された。その診断基準は,否定的自己概念,感情の制御困難及び対人関係上の困難といった症状が,脅威感,再体験及び回避といったPTSDの諸症状に加えて認められることとされる。
本書は,『複雑性PTSDの臨床――心的外傷~トラウマの診断力と対応力を高めよう』(金剛出版,2021)の発刊に併せて行われた四人の精神科医による座談会の記録と書き下ろしエッセイを収録したものであり,複雑性PTSDに関する最新の正確な知識・経験を読者に提供しようとするものである。日常臨床への有効なヒントを提供するであろう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

わくい

3
複雑性PTSDのことを全く知らなかった私だが、この本で概要はつかめた気がする。 複雑性PTSDの考えがすべての臨床につながると言われる意味が少し分かった。今後複雑性PTSDの概念はますます広がっていくだろう。2023/01/06

sayoA

2
外傷育ちの患者さんには、治療者はあまり自信を持たず「May I help you?」という関わりが良い、とのことだが、これは全ての患者さんに対して良い態度だろう。精神医療が多くの患者さんを傷つけ、逆に症状を悪化させている可能性をもっと自覚せねば…と思った。神田橋先生の発言は「回復すると傷が個性になる」「治療とは、悪いところを探して治すではなく、伸ばせそうなところを探して伸ばすに転換したほうがいい」など、どれも魅力的だった。またトラウマの中核に触れなくても、治療になりうるということも学べて良かった。 2024/07/06

しょうゆ

2
複雑性PTSDに留まらず、神田橋先生に始まり、今の精神医療とはに肉薄していく対談だったなと思います。2023/11/18

0
「神田橋 傷が個性になるのを居直りとも言う、短く一言で。 高木 だけど、それはずっと連続していて、飛鳥井さんのおっしゃるComples PTSDでトラウマの中核記憶の中にとらわれている人までが、ずっと連続して社会をつくっているというイメージなんですよね。ですから、どうしてもCはcommonであり、comprehensiveだというふうに考えてしまうんです。もちろん医療としては、ではどこの部分を専門的な医療として扱うのかというのはすごく大事です。専門的な医療が広がりすぎてしまうと、本当は扱わなくてもいい2025/07/01

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