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内容説明
撤退という困難な作戦の将として、日本軍将兵五二〇〇人の救出に成功した木村昌福提督―責任を取ると公言した上で、すべてを任せ、部下が迷った時だけ決断を下す。敵兵の命を奪わず損害を与え、限りなく部下の命を尊重する―上下や立場にはとらわれず、あくまでも人道を貫いた類まれなる指揮官の航跡を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なかしー
40
表紙の通りヒゲのショーフクで有名な木村昌福(名前はまさとみと読む) キスカ島撤退も含めた彼の生涯を追う。 キスカ島撤退は米国軍人に「パーフェクトゲーム」や後日実施されたコテージ作戦(※日本軍撤退後、米軍キスカ島上陸作戦名)は後世の米国戦史研究家のサミュエル・E・モリソン氏は「史上最大の最も実戦的な上陸演習だった」と皮肉られている。 陸軍側の樋口季一郎に関する記述に関しては最小限だったので気になる方は著者の他作品で確認されたし。2025/08/21
もちもち
7
本文だけ読むと陸軍の樋口がアッツ島の兵士を見捨てた、増援を送ると言っていたのに嘘をついたとも読み取れるが後書きでしっかり補足されていたのでよかった。 同じく光人社刊の『流氷の海』を読めばアッツ島の件での樋口の苦悩はわかるので。 ところで、例の捕虜になった軍用犬がどのような運命を辿ったのかが気になる。2021/12/24
路地裏のオヤジ
5
米軍に「奇跡の作戦」「パーフェクトゲーム」と言わしめたキスカ島撤退作戦を率いた提督 木村昌福の話。2020/11/11
青空のゆくえ
1
少し、主人公木村昌福を良く書きすぎた感も無きにしも非ずだったが、皇国に殉ずるのが当たり前の世で、敵味方を問わず人命を優先し、また、部下を信頼し必要な時だけ指示を出し、部下の責任は上司たる自分が取る。簡単なことのようだが実に難しい事である。実際、自分も多くの上司と関わって来たがその多くが自己保身に邁進し、部下に優劣を付け、気に食わない部下を冷遇し馬鹿にする者だった。酷い者は、自身の失態を部下に擦り付けるのもいた。本書にもあったが、自分も木村昌福の様な上司の下で働いて見たかったし、自分もそうありたいと思った。2020/10/04
十割そば
1
「生きて虜囚の辱めを受けず」と言われていた時代にも構わず、陸・海軍の担当指揮官は、全員が生きて撤収することに全力を注ぎ、これが成功すると、新聞各紙も「異例の賞賛尽くし」で社会全体も歓迎した。個よりも国を尊重していた中で、個を尊重することが受け入れられた事例があったことに一筋の救いを感じる。後書きで紹介されている「兵器は作れるが人間は作れない」という樋口の信条にも驚かされる。ただ、アッツ島玉砕の経験が米軍の行動を慎重にし、遅らせた要因となったという点は、複雑な思いである。2019/08/25
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