岩波文庫<br> 侏儒の言葉 文芸的な,余りに文芸的な

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岩波文庫
侏儒の言葉 文芸的な,余りに文芸的な

  • 著者名:芥川竜之介/平出隆
  • 価格 ¥704(本体¥640)
  • 岩波書店(2022/05発売)
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  • ISBN:9784003600139

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内容説明

「打ち下ろすハンマアのリズムを聞け」-芸術の永遠に滅びざることをこう表現した芥川は,死の前の4年間アフォリズムの刃を研ぎ澄まし「侏儒の言葉」を書きついだ.一方,谷崎との2度の論争に底深く覗いた文学の「極北」とは何であったか.死への傾斜をはらんだ,最晩年の双竜ともいうべき箴言集と文芸評論集.(解説=平出隆)

目次

「侏儒の言葉」の序
侏儒の言葉
侏儒の言葉(遺稿)
文芸的な、余りに文芸的な
続文芸的な、余りに文芸的な

解説(平出隆)
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

57
『侏儒の言葉』では、氏の立ち位置を垣間見る心のあり方や考察の描写、文字通りアフォリズムを体感。人生観と世相。前者は「星」と「椎の葉」の隠喩と直喩。示唆に富む後者が印象深い。特に「支那」と「暴力」。大国たらんとする母国への警鐘という感。『文芸的な、余りに文芸的な』は、詩的精神の考察。取り上げた著名作家の批評はあくまで表層であり、深層心理に潜む有り余る理的な才能との葛藤という感。文字に如何に生命を齎すか、は著者の哲学という感。鴎外氏への評、”耳”も印象的。無論、師・漱石は”別枠”だよね。2017/12/22

姉勤

30
侏儒。小人のこと、転じてつまらない人間の意。卑下も謙譲も、過ぎれば何ともいやらしい。(ペンネームが既にドブ川に潜む龍だし)そんな人間はこう考えている。陳列された言葉に、賛同も肯定も求めてない、表現者の顕示欲。今流行りのマルチバース的物語のアイデアを先取りしたりもしている(MB理論は米科学者によって当時既に発表されていた)「文芸的な〜」は、己があまりにも非文芸的な人間なので、谷崎がどうのとか言われても、首肯するでもなく横を向くでもなく、変な笑みで首を傾げるだけなのです。2022/11/05

pico

20
「芸術の鑑賞は芸術家自身と鑑賞家との協力である。云わば鑑賞家は一つの作品を課題に彼自身の創作を試みるのに過ぎない。この故に如何なる時代にも名声を失わない作品は必ず種々の鑑賞を可能にする特色を具(そな)えている。しかし種々の鑑賞を可能にすると云う意味はアナトオル・フランスの云うように、何処か曖昧(あいまい)に出来ている為、どう云う解釈を加えるのもたやすいと云う意味ではあるまい。寧(むし)ろ廬山(ろざん)の峯々(みねみね)のように、種々の立ち場から鑑賞され得る多面性を具えているのであろう。」2009/08/01

壱萬弐仟縁

17
著者によると思想を伝えるのでなく、思想の「変化」を窺わせるものだとした(5頁)。変化には興味がある。「道徳は便宜の異名である。『左側(さそく)通行』と似たものである」(9頁)。「良心は厳粛なる趣味である」(11頁)。「正義は武器に似たものである」(15頁)。「芸術の鑑賞は芸術家自身と鑑賞家との協力である」(18頁)。芸術の秋。このような表現者と鑑賞者の相互作用あってこそ、芸術の価値が高まると再考。「人生は落丁の多い書物に似ている」(22頁)。「人生は地獄よりも地獄的である」(29頁)。手元に置きたい一冊。2013/09/21

ホームズ

16
短い文章がならんでなんとなく「つぶやき」のような作品。しかし内容は良いな(笑)芥川龍之介が考えている色んな物が書かれているのが面白い。谷崎潤一郎との論争も面白いな〜(笑)谷崎潤一郎の作品はまだ読んだことが無いから読んでみようかな(笑)2012/06/10

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