内容説明
口承で伝えられた神話・説話・歌謡を数多く収める日本最初の書物『古事記』は,私たちの遠い祖先がどのように夢み,感じ,生活していたかを語ってくれます.おなじみ国生み神話から因幡の白ウサギ,海幸・山幸,大和三山伝説など,物語にひびいている古代人の声に耳を傾けながら,神々の笑いさざめく神話世界を案内します.
目次
はじまりの世 まえがきにかえて
第一章 イザナキとイザナミの結婚
第二章 スサノオとアマテラス
第三章 小さな神の国作り オオクニヌシとスクナビコナの物語
第四章 ヤチホコの神の歌
第五章 天孫降臨神話
第六章 初代君主の神話 神武天皇
第七章 蛇神オオモノヌシ 三輪山神話
第八章 サホビコ・サホビメの物語
第九章 国引き神話 風土記の世界
第十章 悲劇の皇子ヤマトタケル
第十一章 魚と名を取りかえた話
第十二章 大和の三山伝説 妻争いの話
おわりに 稗田阿礼と太安万侶
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井月 奎(いづき けい)
41
お世話になっております。岩波ジュニア新書様。わかりやすくて、深く知るためのステップも用意してくれている岩波ジュニア新書による「古事記」の本です。神話から日本を見る、それを古事記を軸にして『日本書紀』『万葉集』各地域の『風土記』との差や共通点をも利用して読み手に差し出してくれます。そして、それがまた面白いのです。万葉と古事記、風土記と古事記。はるか古代の人の息吹を想像しつつ楽しみました。2021/04/08
Humbaba
13
古事記には神話が書かれている.そして,それは作られた時点ですでに神話であった.古事記に出てくる神々は,神でありながらも完全な存在ではなく,失敗をしたり,様々な感情をあらわにしたりしながらも国を作っていった.2013/04/10
たりらりらん
10
恥ずかしながら、イザナミやらイザナキやらについてちゃんとした説明が出来なかったので、こっそり読ませていただきました。今から読むと、日本は昔から聴覚を大切にしていたのかな、ということを思わされます。音と音の結びつきで連想がスタートして、意味が広がっていく。イザナキとイザナミだけでなく、スサノオとアマテラス、ヤマトタケルなど名前は聞いたことがあるけれど…というような話をしっかり読むことが出来ました。もう少し古事記についても、いろいろ読んでみたいなと感じました。2011/01/15
柏葉
8
日本神話入門書その2。一冊目に選んだ「知っておきたい日本の神話」が結構詳しく書かれていたので物足りなく感じた。学校の授業で古事記を習い、日本神話に興味をもった人向け。題名の通り、古事記を引用しながら日本神話を読んでいく。古事記の解説があるため、日本神話のストーリー部分は薄め。 それにしてもオオナムジとスクナビコナのけんかが酷いw「粘土の荷をかついで遠くへ行くのと、うんこをこらえて遠くに行くのと、いったいどちらが我慢できるだろう」って実際に試してみることじゃねーよw2011/08/21
ユラニト
6
古事記および日本神話、有名なエピソードをぼんやりと知ってるだけなんだよな……と手に取った本。エピソードごとの解説の色が強い。面白く読んだがもう少し、全体の流れをさらえるような本が読みたかった。もう少し色々読んでみるか。2025/06/17