内容説明
部活は園芸部。それも素人男子3人だけの。
高校入学間もなく、思いがけず園芸部に入部した男子生徒3人が、それぞれの思いを抱えながら成長し、友情を育む、春から秋の物語。
そつなく高校三年間を過ごそうとする達也。
いかにもヤンキーだがどこか憎めない一平。
箱をかぶっての保健室登校だが成績優秀な善男。
温室育ちでもなく、雑草でもなく、ごく普通にお日様に向かって凛とその芽をのばす草花たちと、少年たちの姿が重なりあう、魚住さんのターニングポイントともなるであろう傑作です。
●著者紹介
魚住直子(うおずみなおこ)
1966年、福岡市生まれ。広島大学教育学部心理学科卒業。第36回講談社児童文学新人賞を受賞した『非・バランス』でデビュー。2008年、『Two Trains』で小学館児童文学賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
92
(知人紹介)園芸部ですか・・・。読む前はイメージが全くつかめなかったですが、いきものを大切にする気持ちと、そのつながり。ほのぼのとして温かい。三者三様の3人組の個性も楽しい。元ヤンの部長に”箱”少年。特に元ヤン部長が校長から表彰状を受け取るところは少しスカッとする。合宿のオチも微笑ましい。そして「不審者の挟み撃ち」の表現には(スタバで)思わず笑った。2012/02/18
七色一味
88
読破。読みはじめてすぐ、篠崎と大和田とはどこかで出会ってる、そんな…既視感に見舞われた。ただコミックもどちらも既読になっておらず、悶々としながらページを繰り、ハタと気がついた。コミックの無料お試し電子書籍だ。だからBBは記憶にないんだ。☆舞台は高校、でもあまりにまっすぐすぎるきらいがあって、その部分どうなのよ、とは思う。大和田の中学時代の友達との絡みは、特に後の部分は唐突感が。これ、それぞれ別の視点からの物語にすると、もっと面白いんじゃないかな。おススメ。2017/12/28
naoっぴ
78
清々しくていい話でした。そうそう、植物ってちゃんと答えてくれるんですよね。世話をしてあげただけ育つ!ひょんなことから園芸部に入部してしまった高1男子達が、そんな草花たちの魅力に目覚め成長していくストーリー。部員わずか三人。俺と、ひとりは元不良、ひとりは引きこもりという濃すぎるキャラの仲間達だけど、少しずつ絆が深まり、それぞれの悩みを乗り越え、自分の殻を取り去っていく過程に心があたたかくなります。それと、大和田くんの眉毛の変化を見てみたい(笑)2017/03/06
ぶんこ
66
見た目普通の篠崎と、見た目不良の大和田が入学した高校の裏庭?で、偶然枯れかけていた花に飲み終わった水をかけたら、翌日花が生き返っていた。植物の生命力に興味を持った二人が、積極的にではないものの園芸部として活動を始め、ダンボールを被って相談室登校をしていた庄司が加わる。人は見かけによらぬもので、大和田君が実にいい。彼の良さを素直に認める篠崎君もいい。この二人と花を育てるうちに庄司君も素顔をさらせるようになるし、大和田君も不良っぽい見かけを自らただす。枯れかけた花壇を見過ごせない姿勢にグッときました。2016/09/14
ねむねむあくび♪
61
図書館の本。園芸少年、ええやっちゃなー!! 派手なキャラでも、派手なお話でもないけど、男の子同士の、ベタベタしない優しさがめっちゃツボでした!!(*゚0゚)。_。)"ウンウン ヒーローじゃない、普通の男子の、身近な優しさが、等身大で良かったです♪(*^ー^)ノ♪2014/12/21