内容説明
大坂に大事あり! 大塩平八郎、起つ
大坂の貧民救済に立ち上がる大塩父子と、それを助ける光武利之。
剣豪小説としての魅力も豊かに幕末前夜を活写した会心の歴史小説。
※この電子書籍は2003年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版をを底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
キャプテン
49
★★★★☆_「きゃぷ衛門とゆく時の旅フェア」【西暦1837年江戸時代─大塩平八郎の乱編】天保の大飢饉が呼び寄せる、乱れた世相。その最中。「救心」を掲げる大塩平八郎殿。商人の町、大阪を焼く炎は、怒り。それを静かに見つめる剣豪と、平八郎殿の息子。正義の渇望が作り上げる虚空。人の欲望に翻弄され、民を救うために立ち上がり、しかし蜂起は惨敗し、救うべき民の町は焼け落ちた。それが平八郎の乱にござる。どこまでも虚しい。だがしかし、この虚ろなる思いが、大火の巻き起こす風に乗り、やがて形を変え、ついに幕末への扉が開かれる。2018/02/16
大阪魂
40
1837年の大塩平八郎の乱がテーマ、ゆうても主人公はお庭番の庶子で剣の達人の村垣利之!この利之が、大塩平八郎のため愚直に「正義」を目指す息子・大塩格之助に惹かれ、平八郎を巡るいろんな政治のドロドロの動きに巻き込まれてく…この本読みながらWikiで乱の史実とかその後の水野忠邦の改革とかみてたら、北方さんが描いてはるように大塩平八郎も大きな政治の道具に使われたんかもやなあておもた…このあたりから朝廷と薩摩藩の結託とかもでてきたみたいやし…北方さんこれまで中国史ばっかし読んでたけど日本史の方も追っかけてみる!2025/01/22
金吾
23
北方さんの本は史実がどうだとかを考えることなく歴史を題材にした小説を楽しむものであると思っていますがこの本もそうです。大塩平八郎の乱の背景というよりも親に殉じる生真面目息子と大局は見えている名家の庶子の友情の話であると感じました。2021/06/10
TheWho
19
天保8年(1837年)に、大坂町奉行所の元与力大塩平八郎が起こした反乱、所謂「大塩平八郎の乱」の顛末をハードボイルドと歴史小説の著者が描く時代絵巻。物語は、幕府御庭番家筋である村垣定行の庶子の主人公が飢饉の余波で米不足の大坂に訪れ、不穏な世情の裏に隠された幕閣内の政争や朝廷、外様大名、蝦夷地が絡んだ暗部を解き明かす壮大なミステリーとして展開していく。そして傍観者の主人公の視点で、無骨な程正義を貫き、己の哲学に殉ずる男の生き様を語る。正に歴史ハードボイルド小説と言える面白い一冊です。2015/10/17
さっと
14
「大塩平八郎の乱」前後の大坂をいわくつきの浪人の目から描く歴史小説。あらためていろいろな捉え方のできる事件であって、まさかのあの人も登場でキタコレ!ってなったけど、結局、真相はよくわからないし、ただ事実は大坂の一部が焼け野原になったこと。途中まで謎解き要素が強かったけど、ラストは案外あっさり。続編もあるようなのでそちらも楽しみ。2018/06/18
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