内容説明
ネット化社会の進展で、欧米諸国では配信サービスに構造変化してしまった音楽ソフト業界。それに反して日本では規模は減少し続けてはいるがCD等のパッケージ型の音楽ソフト市場が残存している。特に諸外国では絶滅した音楽メガストアは、日本でタワーレコードだけ生き残ったことは正に「奇跡」的である。本書は日本型ミュージック・ビジネスの象徴的な存在としてのタワーレコードの軌跡をたどり、その生き残り策と実態を解剖した、音楽ファン必読のドキュメント本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
18
私も世話になってるタワレコ、ネットでも欲しいCDを取り寄せたりもしてます。日本の全部のタワーレコードを回って、店長に取材してます。2020年に取材したので、その後閉店した3店舗も含みます。何故タワレコだけが日本で生き残っているのか?それは推し活でフィジカルな物を自分で所有したい、という心理が大きく、一昔前は女性アイドルで男オタクが貢献してましたが最近は女性の購買欲が積極的になり、ジャニーズ、Kポップ、アニメ、等に活路を見出したのが大きいそうです。自腹を切る人は仲間です。見方が変わりました。2022/11/22
nobu23
8
アメリカ本社は潰れたものの、独立して残った日本のタワレコの歴史を辿る本。 数十個もある全店舗の紹介とインタビューが載っていたりと、かなりの力が入った構成。 タワレコがなぜ生き残ったのか、具体的な数値での分析があったりと興味深い。 2022/12/03
アーク
3
音楽の物理メディアが終焉を迎える一歩手前の今、タワーレコードが日本で好調な業績を上げているのはガラパゴス化現象の一環といえど力強い。本屋と同様、CDやレコードも店頭で触れてこそ新しいものに出会う喜びってあるよな。タワレコ新宿店が4フロアから2フロアに縮小されたように、今後も厳しい状況が続くかもしれないけれど、それでもタワレコには頑張ってほしいね。2022/05/29