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内容説明
その生涯、華麗にして波瀾万丈!――。兄は宰相・近衛文麿、恋人・愛人は数知れず。山田耕筰との確執、フルトヴェングラーとの交友、そしてユダヤ人救出。世界をうならせた名指揮者の知られざる全貌に迫る。
<主な内容>
序章 忘れられたマエストロ
第1章 公爵の家
やんちゃ坊主/父篤麿の死
第2章 青年指揮者
東京帝大音楽部/ヨーロッパへ
第3章 オーケストラの黎明
山田耕筰との訣別/『越天楽』誕生
第4章 開眼
フルトヴェングラー/苦い握手
第5章 恋と栄光の日々
芸者喜春/女優澤蘭子
第6章 戦火のタクト
ユダヤ人救出/ベルリンの孤独
第7章 再起に賭ける
文麿の最期/立ちはだかる壁
終章 読まれなかった弔詞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆずこまめ
4
この人のことは知らなかった。もっと評価されてもいいような気がするけど、色々微妙な問題もあるんでしょうか。2024/04/15
かみーゆ
4
日本のオーケストラをつくった男、という副題に何の誇張もなく。スゴいなあ。日本クラシック史としても興味深く読めました。皇族だもん権力闘争とか無理だよねー。ベルリンフィル振ったりしてたのにほぼ知られてない理由がよくわかりました。サイトウ〜小澤ラインに否定されちゃ出てこないわな。女性にだらしないということもあり、スキャンダルと嫉妬で才能のある人を封じ込めちゃうのよくないよね。結論としてはN響がクズだということで。2018/03/21
choku_tn
3
2006年刊 近衞秀麿(1898-1973)に関する初の本格評伝で戦時中の活動やストコフスキーとの親交が注目される嚆矢となった1冊 一般書の版元から刊行された意義は大きかったが 草稿が上下巻相当の分量だったので 編集者により音楽的な要素がかなり削られたそうで 結果他の関係者を含む私生活の奔放さが目立つ印象になったのは残念 またクラシック音楽に関する基礎知識の不足からくる証言の翻訳ミスや割り付けの不手際も散見される 改訂版を望みたい2023/06/30
のんたん
3
日本のオーケストラをつくり、ベルリンフィルを指揮した人なのに、全然知らなかったなぁ。近衛秀麿の名前がこんなにも残らなかったのは、山田耕筰とか、N響とか、吉田昇とか、いろいろな原因が重なったのだろうけど、育ちが育ちだけにいろいろな思惑に巻き込まれ、でも生涯その性質が変わらなかった本人に依るところも大きい気がします。でも、音楽への取り組みは素晴らしいものだったことは実績からわかる。近衛秀麿の指揮するオケ、聴いてみたいなぁと思いました。2018/07/13
mementomorit
2
日本の西洋音楽黎明期を支えた一人。近衛の生涯を非常に詳細に追っており、歴史的側面も自虐的にこじつけず史実に即しており、リアリティが確保されている。2011/02/15