内容説明
妻に異変が起きたのは、結婚4年目、彼女が29歳の時だった。摂食障害、アルコール依存症……。介護と仕事、その両立に悩み続けた20年近くにわたる自らの体験を、貧困ジャーナリズム賞受賞歴もある朝日新聞記者が克明に綴る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
268
本屋大賞2022年 ノンフイクション本大賞 ノミネート作品ということで読みました。永田 豊隆、初読です。 20年近くにわたる壮絶な闘病記、まだ進行形でサバイブしていない気がしますが、ノミネートは納得です。子供がいなかったのが、不幸中の幸いかも知れません。 https://publications.asahi.com/tsumahasurvivor/2022/10/14
モルク
137
新聞記者の夫が次々と様々な精神疾患を患う妻との20年を描く。子供の頃の父親からの虐待がトラウマとなって過食、嘔吐の繰り返しだけが困難を乗り越える自分の場所と思い込んでいる妻。過食により家計も逼迫、大量の薬をのみ自殺未遂、アルコール依存症そしてそれが原因の認知症も発症。何度も精神科に入院するも…壮絶な夫婦の闘いが続く。自分ではどうしようもない妻のもがきはもちろん、それを支えようとする夫は凄い。私ならその苦悩と葛藤に耐えられない。精神疾患があると内科でも普通の病院に入院できないなど知らないことが一杯だった。2023/06/07
遥かなる想い
115
20年にわたる精神疾患を抱えた妻との日々を描いた作品である。平穏な日々が突然変貌していく様が生々しい。精神医療の難しさが 伝わる。妻に寄り添いながら、社会の問題点にも気付かされる、妻とともに生きた闘病記録だった。2023/11/01
ネギっ子gen
97
【妻は20年間、「緩慢な自殺」を試みていたのだろうか。否。必死で生きようとしていたのだ】 読み終え、タイトル名に納得。冒頭、こう記される。<妻に何が起きているのか、理解できなかった。大量の食べ物を胃に詰め込む。すべてトイレで吐く。昼となく夜となく、それを繰り返す。彼女が心身に変調をきたしたのは結婚4年目>と。以来、妻の摂食障害やリストカットやアルコール依存症に振り回される日々――。妻の「私みたいに苦しむ人を減らした」という声に応え、貧困ジャーナリズム賞受賞の朝日新聞記者が2人の悪戦苦闘をありのまま綴る。⇒2022/07/10
どんぐり
96
摂食障害に始まる26歳からの20年間の病歴が凄まじい。1日6~10時間にわたる過食嘔吐、その後大量飲酒からアルコール依存、大量服薬、リストカットで精神科病院の入退院を繰り返す。ついに46歳で認知症を発症。およそサバイバーとは言い難いQOLの低下。ただ病気が進行しただけじゃないか。著者の無力感しか受け取れない。2022/11/11




