竹書房怪談文庫 八王子怪談 逢魔ヶ刻編

著者名：川奈まり子【著】

竹書房（2022/04発売）

• ISBN：9784801930902

内容説明

霊気みなぎる高尾山や東京屈指の心霊スポット・八王子城跡――東京のベッドタウン・八王子には豊かな自然と歴史、そして怪談好きを唸らせる数々の心霊スポットがある。地元出身の作家・川奈まり子が、緻密な取材をもとに八王子ならではの怪異に迫る第二弾！

幼少時代に住んでいた数寄屋造りの家には人ならぬモノも棲んでいた「祖父の家」、戦国時代の惨劇の怨恨は今なお訪れる者へ何を伝えたいのか…「八王子城奇談」、著者が再会した地元の知り合いから聞いた奇妙な話の数々「御陵の東」、謂れのある場所に建つ家を買った叔父の顛末「さげ坂の家」――など37話収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[HANA]

実話怪談集。八王子に限定したご当地怪談二作目。ご当地怪談にはその土地か怪談、どちらかに特化した作品が多いように思えるが、本書は土地に重きを置いているような。舞台も有名な八王子城と高尾山が多いし。著者の怪談にはいつも「幽さ」が感じられるけど、今回だけは実際の土地を舞台にしているせいか、幽霊が出たとか怪奇現象が起こったとか、それが「地味」になってる気がするなあ。その土地に詳しければまた違った読み心地になるんだろうけど。あと自分は著者の怪談随筆好きなんだけど、幼い頃の思い出にはその片鱗が出ていて楽しかったです。

2022/05/06

[あたびー]

八王子怪談2作目。 いつものように丁寧な聞き取りとしっかりしたリサーチに裏付けられた骨太の実話怪談。 八王子って古い歴史と様々な出来事のあった場所なのだなと改めて感じます。 「さげ坂」や洪水の後に建った家、大工の旧家の話が印象深い。

2022/05/06

[かおりんご]

ホラー。近くて遠い八王子。行きたいと思っているのに、行ったことのない八王子城址。この話を読んで、ますます行きたくなりました。八王子に泊まれば、夜中に凸できるか？！なんて、真剣に考えてしまいました。

2022/05/27

[ミエル]

八王子怪談2作目、よりディープな取材で非常に面白い。川奈ファンとしては端的な筆致とフェアな視点の考察で綴られる怪談奇談がたまらない笑　とにかく、怪談奇談の背景や歴史的な因縁との繋がりを探るスタイルが好き。なぜそうなった？と深追いしまくる新奇性の高さと学者肌なところに親和性を感じてしまう。長年ホラーやオカルトものを見てきていると、血まみれの女が出た！心霊スポットの帰りに事故にあった！なんて展開には食指が動かないけれど、土地や住う人の歴史に沿った話は、読み手もディグる楽しみがあって最高。

2024/07/29

[chatnoir]

八王子怪談の一冊目が面白かったので2冊目にも挑戦。今回はドキュメンタリー部分はなかったなぁ。八王子という土地がらみの怖いお話がたくさん。

2023/03/14