集英社文庫<br> 雨心中

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集英社文庫
雨心中

  • 著者名:唯川恵【著】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 集英社(2022/05発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087443615

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内容説明

共に八王子の養護施設で育ち、社会に出てからも実の姉弟のように身を寄せ合って同じ家に暮らす周也と芳子。どんな仕事に就いてもすぐに辞めてしまい言い訳ばかりの周也を、芳子はただただ優しく受け入れる。周也を甘やかし、駄目にしてきたのは自分だと芳子はわかっていた。そう、周也がどんな「罪」を犯そうとも……。恋とも家族愛とも似て非なるその関係は、裏社会の人びとも巻き込んで思いもよらない方向に突き進み――。恋愛小説の旗手が、業を背負った男女の繋がりを描く長編小説。なぜ彼女は彼を突き放せないのだろう?

目次

第一章 降り暮らす
第二章 闇に揺れる
第三章 夜を捨てる
第四章 風に眠る
第五章 波に惑う
第六章 時を祈る
第七章 空を射る
第八章 月を這う
最終章 降り暮れる

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つぐみん

14
なんとも言えない読後感。共依存する芳子と周也。どうしてこうも、ダメな方に流れていくのだろう。どうして離れられないのだろう。ちょっとしたきっかけでうまく行きそうになるのに、そのたびになぜか悪い方に流れる。どうもスッキリせず、希望も持てなかった。2022/07/16

こばゆみ

10
施設で育ち、お互いが依存しあうような関係の芳子と周也の物語。いろんな登場人物が出てくるのだけれど、大抵芳子と周也に巻き込まれたせいで良くない結末を迎えていて、読後感はあまり良くなく… 昼ドラっぼいドロドロ感に満ちたお話だった。2022/05/06

6
血の繋がらない、恋愛でもない、でもその結び付きが強かった。正直二人に苛々した。特に周也の甘さに。二人の関係は自分の人生には辿り着けないものだと思う。社会の暗部とか、引き込まれました。苛々しながらもどんどん読んでしまう作品でした。2023/05/27

Koji Hozumi

6
施設で育ち、社会に出てからも、同じ家に住む男女。二人は血はつながっていないが、姉弟のような関係で生活している。男は社会になじめず、様々な”罪”を抱えていくが、それを受け入れる女。離れられない二人。世の中から逃げながらたどり着いた先は。 どうしてなの、もっといい方法があるだろう、などと考えていたら、この物語は嫌な方向に行ってしまう。むしろ、二人の抱える闇に、気持ちを寄せていくほど、話の中に入り込み、二人の本質が手に取るようにわかり始める。その何とも言えない感覚が、この一冊の持つ魅力ではないだろうか。2022/09/07

きょうりゅう🦕

5
1度目ハラハラしすぎたので再読。このような小説はこの本が初めてで不思議な気持ちになりました。 芳子の甘さ/盲目さと周也の短絡さ/純粋さは相性が悪く、それに本人たちが気づいていない。周りを巻き込みそれでもまだ改めない、とにかく末恐ろしい、と思う。 これは愛ではない、と思うほど強くそして曲がった愛でした。 光が強すぎて逆に目の前が真っ暗になるような感覚。こんな話を書けるなんて唯川恵さん、一体何者なんだと思いました。性的描写もあるので人に薦めたりは個人的にはしづらいですが、お話が面白いのでまた読むと思います。2023/08/04

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