扶桑社ＢＯＯＫＳミステリー レオ・ブルース短編全集

著者名：レオ・ブルース/小林晋

扶桑社（2022/04発売）

• ISBN：9784594090821

内容説明

世界初紹介の未発表草稿10編を含む
本格の巨匠が遺した全短編を完全網羅！

本格黄金期を代表する推理小説作家レオ・ブルースの全短編をここに収録。
パーティーの夜に起きた秘書殺しの謎をビーフ巡査部長が快刀乱麻の名推理で解決する「ビーフのクリスマス」、遺産相続をめぐる練り上げられた策謀を暴く「逆向きの殺人」など、短い紙幅に「魅力的な謎の呈示」と「合理的解決」という本格の醍醐味が凝縮された珠玉の短編全40編。
図書館で発掘された未刊のタイプ原稿から直接邦訳した11編（内、世界初紹介９編）と発見者による解説を含む、ファン垂涎の真の「完全版」の登場！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[藤月はな（灯れ松明の火）]

編集者による独占が強かった出版業界では有名作家が二つ名を使って別ジャンルを書いていたり、別の出版社から毛色の違う得意ジャンルを出版しているというのはよくある話であった。それはレオ・ブルース氏も同じだ。レオ・ブルース氏が別名義で書いたショートショートは毒っ気が結構、強め。とはいえ、ショートショートといえども侮るなかれ。思い込みや先入観によってまんまと誤認させられたりするのでご用心を。特に倒述ものはフランシス・アイルズ並みにビターテイストですが、ざまぁものが好きな人にはお勧めかも。

2024/10/15

[geshi]

こういうショートショート・ミステリは久しぶり。ポンポン進められる反面、物量で攻められて途中で疲れちゃう。ビーフ巡査部長は一癖あるキャラあったけれどグリーブ巡査部長は完全に無色だな。『棚から落ちてきた死体』死体が転がり込む発端の引きと犯人を怪しんだポイントのいい突き方。『犯行現場にて』犯罪小説がブラックユーモアへと変容するオチのセリフにニヤリ。『逆向きの殺人』殺人事件が続いていたから趣向の変化球やられると弱い。『インヴァネスのケープ』ホームズものへの擽りは『三人の名探偵のための事件』を思わせる。

2023/04/25

[ニミッツクラス]

22年（令和4年）の税抜1200円の文庫初版。「三人の名探偵のための事件」のビーフ物で名の通った著者の全40短編を収録。逐一メモを取ったが40編もあるから却って混乱した。ビーフ物（平巡査から巡査部長を経て私立探偵）14編、グリーブ巡査部長物11編で、残りの15編はノンシリーズ。遺産絡みの老人殺人が多く、もう少し待てば合法的に手に入るのにと思う。異色作として冤罪による死刑一話、二重ブラフ一話、ビーフとグリーブを入替えた同じ話が一話ずつある。基本的に聞き役がおり、読者への挑戦のようにもなっている。★★★★☆☆

2023/12/11

[本木英朗]

英国の本格黄金期ミステリ作家のひとりである、レオ・ブルースの短編集が、これである。パーティーの夜に起きた秘書殺しの謎をビーフ巡査部長が快刀乱麻の名推理で解決する「ビーフのクリスマス」、遺産相続をめぐる練り上げられた策謀を暴く「逆向きの殺人」など40編を収録。どれもこれも面白かったけれど、ちょっとなあとも思う今日この頃である。やっぱり長編の方が、俺的にはよかったなあ！　……とりあえず以上です、はい。

2022/09/05

[ハスゴン]

どれもショートなので読み応えはないけど、これが全てとするならば読み込むしかない！

2023/09/28