内容説明
軽トラで車上暮らしをしながら雑草やキノコを“吸いまくった”日常を記録しベストセラーとなった書籍『雑草で酔う』の著者・青井硝子氏が、幻覚成分を含む茶を販売したなどとして2020年3月3日「麻薬及び向精神薬取締法違反幇助容疑」で京都府警に逮捕された。
通常、逮捕されれば落ち込むところだが、青井氏はその状況を心から楽しみ、留置場という非日常の空間でさまざまな遊び方を編み出した。
「取調べで酔う」
「アルコールスプレーで酔う」
「筋トレで酔う」
「脳内修行で酔う」
「歯科医の麻酔で酔う」
「愛する人との面会で酔う」
「裁判で酔う」
本書はその内容をリアルかつユーモラスに綴ったものである。
マスコミが注目する裁判の判決は2022年5月9日。判決とともに本書を楽しんでいただけると幸いだ。
責任編集:草下シンヤ
「こんなに逮捕を楽しんでいる人を私は知りません」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆーき(仮)
3
エキセントリック。おもしろいですね。2023/04/30
斎木
3
獄中の出来事を愉快に記録した本。前作の雑草に酔うは文字から受ける印象通りに雑草によって精神や身体やらにどんな変化が現れるか記したものだったけど同じ感じで読もうとすると大分違う印象になった。酔うという言葉そのものを精神が大きく乱高下するという意味で用いられていてならほどな~と思った。待合室での話は面白く読んでたけどいやこういう人がその辺にいるかもしれない事実を思うと嫌過ぎるな……。自分の状態を客観視して分析するのが得意というか好きな人なんだろうなと思っていたら後書きが大分酔ってる様子で落ちがついてて笑った。2022/08/07
arnie ozawa
2
状況が状況なんで前作よりは面白い。とは言え、一段とスピりというか宗教感は強くなっている。釈迦もキリストも人を集めて語り始めた頃はこんなだったのかなぁ、とか。元々理系な人がスピった体験をしてしまうと再現性がない事象にも関わらず実際に我が身に起こったということを整理するために、論理的(だけど実証性が乏しい≒科学的と言い難い≠間違っている)かつ解脱者(揶揄も込めて)同士にしかわからない世界に行ってしまうという様子が判ります。2022/09/29
S
1
薬物とか違法もしくはスレスレに手を出す人ってこういう風に自分を正当化するんだなぁと2022/06/27
oyoide
0
「獄中」という稀なシチュエーションの中だからこそ「酔い」ということの重要性と、そして著者の思想がどんなに人を生かすものなのかを、「酔う」シリーズ三作の中で一番理解できた作品だった。これを読んでいると、いかに現実世界が人本来の創造性を奪って苦しめているのかと分かる。そしてまた、そうした枠にハマらず自分のしたい道を進むことがどれほど連帯を生むのかも分かる素晴らしい本でした。2023/05/10