文春文庫<br> アメリカ紀行

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文春文庫
アメリカ紀行

  • 著者名:千葉雅也【著】
  • 価格 ¥730(本体¥664)
  • 文藝春秋(2022/05発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167918804

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内容説明

気鋭の哲学者によるアメリカ見聞記
トランプ以後のアメリカの地で、哲学者・千葉雅也は何を考えたのか。
『勉強の哲学』に続く、半年の思考の軌跡と新たな哲学の萌芽。

※この電子書籍は2019年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はっせー

67
哲学好きな人や千葉雅也さんのことが好きな人におすすめの本になっている。タイトルがアメリカ紀行になっているため旅のお話中心だと思う人もいるだろう。しかし内容はどちらかというと旅での経験について哲学する話の方が多いきがする。だが固い話や難しい専門用語が多いわけではないので嬉しい!読めば読むほど千葉雅也さんの考え方や思考を知ることができると思う。千葉雅也さんの入門書としては最適ではないかと思う。ここの本にも出てきたマルクスガブリエルさんの本が急に読みたくなってしまった!2023/07/30

サゴウ

39
地味に見えるかもしれないけど結構面白い。千葉雅也の小説の文体が誕生した場所。ツイートをまとめた本らしいが、ということはツイートの文体が小説に発展していったと言えるのか。アメリカと日本の文化の比較が独自の目線でも面白い。あと、ものへの視点が強い物質性を帯びていて素敵。2023/10/25

I (et al.)

25
異なる文化で暮らす、同一性としての自己。そこに耐えず発生する言語化するのが非常に微細な「膜」的感覚に目を向けている。そこには哲学的な思惟もある。あるのだが、千葉の鋭さは日常の生活感覚の鋭さであろう。日本語はたしかに、極端に人称性を削ぎ落していると思う。そして関係として名指さない、「なんであれかまわない」というアガンベンの提示にも繋がってゆくのかもしれないとも思われてならない。日常から哲学へ、そしてその逆も。著者の確かさが宿る言葉たち。2022/10/31

ほし

17
千葉雅也さんが、学外研究として4ヶ月間アメリカに滞在した時の紀行文。思索的エッセイとも言えるような文章です。日常の中にある細やかな摩擦やズレを繊細に描いた文章を読んでいると、思考の旅に誘われるかのようです。二人称、直線的な警報音、タクシーの卓球のような会話。アメリカの体験を通じて、千葉雅也さんは日本的おもてなしの態度に、荒れ狂う他者を鎮めるための儀礼的側面を読み解きます。千葉雅也さんから見た世界、哲学者による環世界を垣間見ることの出来る一冊です。2022/06/01

masabi

13
【概要】四ヶ月の学外研究で渡ったアメリカでの経験をもとにしたエッセイ。【感想】紀行と題されているが、描かれるのはカフェやタクシーでの遣り取りなど日常的なものが多い。文化的な差異として一括りにされそうなものでも哲学者のフィルターを通すとまた別な様相が見えてくる。関係性で接続過剰だからこそそこから乖離した猫カフェが流行る、サービス過剰は思いやりなどではなく他者を鎮めるための儀礼、といった他にはない見方がおもしろい。2023/08/13

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