小学館文庫<br> うかれ堂騒動記 恋のかわら版

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小学館文庫
うかれ堂騒動記 恋のかわら版

  • 著者名:吉森大祐【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 小学館(2022/05発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094071412

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内容説明

かわら版屋のお転婆が引き起こす珍事件!?

17歳の一穂は、黒目がちの目がくりくりと大きい。なのに、たいそうなお転婆。せっかくの整った顔立ちが台無しだ。その一穂、事情があって、かわら版屋〈うかれ堂〉を営むおじさんの市右衛門と一緒に働いている。今日も今日とて、工房を構える日本橋の〈うかれ長屋〉でご飯を食べていると、北町奉行所の同心・吉田主計が様子をうかがいにやって来た。一穂と幼馴染の吉田は、事件のネタを〈うかれ堂〉のために漏らしてくれているのだ。そのかわりに一穂と市右衛門は、江戸市中で見聞きした物事を報告し、時には探索を手伝っている。十手こそ渡されてはいないが、吉田とは持ちつ持たれつの間柄というわけだ。そんな吉田が持って来たのは、新任与力の水野左衛門が一穂と直に話してみたいという、呆れた私事。ところがいざ会ってみると、なぜだか、北町奉行の小田切土佐守と寺社奉行の青山下野守の政争につながるネタを追う羽目に……。挙句の果てには、とんでもない大騒動になって!?
『幕末ダウンタウン』で第十二回小説現代長編新人賞、『ぴりりと可楽!』で細谷正充賞を受賞した実力派時代作家、初の文庫書き下ろし!

(底本 2022年5月発行作品)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のんちゃん

29
江戸日本橋でかわら版屋のうかれ堂を営む市右衛門と同居し、商売を手伝う一穂は、皆が知るお転婆娘。その一穂が今日も至る所で騒動を起こすというユーモア時代小説。最初はこの一穂がギャーギャーとうるさく、あまり話に入り込めなかったが、段々とこの時代の文化や風俗風習を取り入れた話が面白くなってきて、最後まで読み切ってしまった。騒がしい一穂だが、考えや行動、言動は真っ当でそこは気持ちがよかった。ただ「カワイイ」の一言が彼女の自尊心のスイッチを入れてしまい、本当に一穂を騒がしくしてしまうところが、私的にはいただけない。2022/07/16

ベローチェのひととき

10
本屋さんをプラプラしていて気になった本。表紙の絵がいかにもコメディータッチな感じで、裏表紙に抱腹絶倒と紹介されていたので読むっきゃないと思い読んでみた。5編からなる連作短編集。主人公のお転婆娘の一穂が人間くさくて実に気持ちがいい。ウナギの話ではついおかしくて朝の通勤電車の中で声を出して笑ってしまった。一穂の目標は、格好いいオトナになること… そう、素敵なことだよね。2022/05/22

イングラム

2
可愛らしい表紙絵に惹かれて衝動買い。 口達者な少女一穂が長屋の仲間達や奉行所の役人達を巻き込んで暴れまわっている様子が面白くて、読んでいて中々楽しめました。 特に、鰻屋の産地偽装について調べている武家屋敷に乗り込んで『江戸っ子なので食べれば味の違いで判ります!』と言い張り、近所の知り合いを連れて鰻の食べ比べパーティーを始める行動力は凄すぎだし、口がうまい一穂がそれっぽいことを言って、武家の人達を納得させていたのが面白すぎました。 何事にも体当たりして、結果何とかしてしまう一穂の姿勢に元気を貰えました。2022/05/27

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