幻冬舎単行本<br> 特等席とトマトと満月と

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幻冬舎単行本
特等席とトマトと満月と

  • 著者名:紺野ぶるま【著】
  • 価格 ¥1,485(本体¥1,350)
  • 幻冬舎(2022/04発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344039148

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内容説明

結婚も出産も、売れてから?
「可愛いくなりたいじゃなくて、面白くなりたい欲って、何なのかな」
女芸人たちの切ないまでのリアルを描く、初めての長編小説。

20代なかばのムシナは“芸人としては美人で背も高くスタイルも悪くない。そのことと、実家暮らしであることが、コンプレックスでもある。
ウケたい気持ちはあるけれど、それほど向上心もない。恋愛は女芸人には邪魔だとわかっていても、男に求められると応えてしまう。結婚も出産もしたいけど、売れるまではできない、と思っている。ことさらヒエラルキーを強調する女芸人の先輩たちは、解散して結婚したり、B級タレントに転身したり。かと思うと、見た目にインパクトのある後輩芸人が、あっという間にムシナを抜いていく。「サイコメトリング」というオリジナルのネタを手にし、賞レースの3回戦に進んで手応えをおぼえるけれど、その上には行けない。でもなんとなくテレビに出るようになり、イケメン男優からこなをかけられたりして、底辺からは脱出したような気がするけれど、芸人をやめて結婚出産した先輩のことは、素直に祝福できない。
そんな「どっちつかず」なムシナと、ムシナを取り巻く“底辺の芸人たちの、もどかしくも切ない日々を、残酷なまでの観察力で生々しく描く長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えも

29
女性芸人による火花。自伝的?小説▼葛藤、揺れ動く心、矛盾する想い。他の女性芸人の描写も凄まじい▼女性がお笑いの中でやっていくのは、相当大変なんだろうなと思わせます。2022/06/19

tetsubun1000mg

18
名前だけは聞いたことが有るが、ネタや顔などは見たことが無かった女芸人さん。 軽やかな感じの表紙と中身は全く違うので気を付けよう。 ブレイクしない芸人さんの日常を描きながら苦しい心情を織り交ぜている。実家暮らしが救いだが、バイトに時間を取られる生活。 劇場出演のネタ見せの緊張感やスベッた時のむなしさがリアル。 でも暗いばかりではなく,ネタ見せで受けて笑ってもらいTV番組で出してもらうなど明るさも見え始めるのが救い。 ストーリーはグタグタな日常を書いているようだが、文章はすんなりと入ってきて以外に読みやすい。2022/06/22

bluemint

10
面白かった。最下層の売れない芸人たちの生態が生々しい。切羽詰まった状況では人間の真の姿が出てしまう。親切めかして言うのは、単に無難にその場だけを収める事なかれ主義なだけで、その適当な発言が悪影響な時すらある、というくだりは私のことをズバリ指摘されているようで、胸が痛んだ。著者もそこそこの芸人なので、下層芸人たちの共感や軋轢など、心の動きが丁寧に描写されている。最後の部分で、何か大きなモノを持ってきたらもっと良かった。つぶやきシローの作品に次ぐ良作だと思う。2025/07/07

お母ちゃん

8
ごめんなさい、この方全く存じ上げないのに、題名に興味惹かれて手に取りました。女芸人のリアルな日常&心情が描かれてますが、リアルさを主に据えている為か、起伏のない内容に若干退屈してしまった。もっと芸人に興味ある人が読んだ方が良かったよね。2022/08/13

ふじこ

7
赤間ムシナ、ピン芸人。美人すぎず不細工すぎずな容姿は芸人としては中途半端。実家を出て一人暮らしできるほど売れてもいない「どっちつかず」な女芸人の葛藤の日々。読んでいてずっと息苦しかった。ネタを考えないといけない。でもバイトしなきゃ自由になるお金がない。結婚や出産はしたいけどそれを考えられる相手もいない。でも男の人に求められたら身体を開いてしまう。何かを決断するには勇気が必要だ。モラトリアムを終わらせるためにも、宙ぶらりんの時期があってもいいのかもしれない。2023/04/28

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