山と溪谷社<br> ヤマケイ文庫 北海の狩猟者 羆撃ちと山釣りに明け暮れたある開拓者の記録

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山と溪谷社
ヤマケイ文庫 北海の狩猟者 羆撃ちと山釣りに明け暮れたある開拓者の記録

  • 著者名:西村武重
  • 価格 ¥1,045(本体¥950)
  • 山と溪谷社(2022/05発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784635049412

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内容説明

大正5(1916)年に養老牛温泉(北海道中標津町)を踏破し、旅館養老園を開いたことでも知られる開拓者・西村武重。
彼は道東の山野を跋渉して狩猟、渓流釣り、登山、植物採集、鉱石発掘などに明け暮れた。

本書は、飼牛を襲って牧場を荒らす羆狩りや痕跡を追って何日も山野を彷徨する単独羆猟の話、山女魚釣りの極意、アイヌ民族との交流、人跡疎らだった時代の知床半島探検など、壮年期の西村が体験した貴重な記録。


■内容
羆との闘い 
・原始林の王者 
・牧場荒らしの大羆を倒す 
・標津岳の羆狩り 
・親子羆を追う 
・羆狩りと猟犬 
・恐怖の大羆

◆北海の狩猟者 
・根室原野の昔ばなし 
・山小屋の一夜 
・密林の住人たち 
・北辺を釣る

◆知床半島の大自然 
・未開の別天地

◆解説 久保俊治(猟人)


■著者について
西村 武重(にしむら・たけしげ)
1892(明治25)年2月、香川県綾歌郡造田村(現まんのう町)生まれ。
1896(明治29)年、4歳で北海道札幌市篠路に父と移住。1916(大正5)年、養老牛温泉踏破。
永年ヒグマ撃ちを経験してきた。1972(昭和47)年、勲六等単光旭日章授与。
1983(昭和58)年、死去。
著書に『ヒグマとの戦い』『北海の狩猟者』(いずれも山と溪谷社)、『原野とヤマベ――秘境知床』(釣の友社/1969年)、『養老牛の今昔』などがある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

96
明治生まれの著者が昭和42年書いてに出版された本が元本。対象から昭和の北海道での狩猟が題材。特に前半は羆の狩りについて描かれている。今もいるのかもしれないが当時の巨大な羆との戦いがいくつか書かれている。羆といえば吉村昭氏の「羆嵐」が有名だがこの本に登場する400キロ近く体調4〜5メートルとはものすごい大きさだろう。他には巨大なな山女魚釣り、狐狩りなど。本書の解説に載っていたが北海道も至るところで開発が進み、著者が書いた景色とは大きく様変わりしているという。面白かった。図書館本2023/09/28

まさ

31
大正~昭和の北海道・道東での羆猟を始めとする日々の記録。入植の頃の様子がよく伝わってくる。目前に広がる自然そのもの、自然に包み込まれていると言えばよいのか。生き物たちの大きさもケタ違いだし。ただ、現代とは認識の違いも多い。猟を冒険、スリル、ゲーム…と言われると、いまは存在しない動物のことにも思い馳せてしまう。2022/06/13

流石全次郎

12
明治25年生まれの著者、西村武重さん。羆(ヒグマ)の狩猟、鉱石の探索、渓流釣り、植物の生育地、アイヌ民族とのふれあいなどを述べられていて、北海道の開拓に関する記録が見え隠れする。文体は少し古く、記載内容も令和の現代からしたら客観性に欠けると感じるものの著者の目線による自然との格闘がここちよかった。ただ現代の自然を愛でる人々の感覚では目を覆いたくなる部分もあるのも事実。現代の価値観の物差しはさておき残された当時の北海道の歴史、記録として読むことで満たされた読書となりました。2023/10/11

ウミノアメ

6
100年前の北海道と現在では、こんなにも差があるのかと思うほど、自然が豊か。  開拓者として厳しい自然環境に置かれた著者だから、動物も鳥も魚も、獲れる時に獲れるだけ獲る感覚は、現代の感覚からは、かけ離れてる。  今とは価値観が違うが、アイヌの人々は、必要分以上獲ると山が死ぬことを知ってるから、そんなことはしなかったようだ。  批判はできないんだけど、そういう人が、たくさん自然を壊してしまったんだ、と思う。  2024/10/14

rincororin09

5
わずか100年ちょい前の北海道が、熊が山野を跋扈し魚が川に犇めく史前的豊穣の大地だったことがよくわかる。人間は何をしてきたのか。久保氏のあとがきもよいです。開高氏の釣りのエッセイも大好きですが彼もこの本は読んでいるに違いない…。ここに出てくるような巨大なイトウを釣ったら氏は何を書いただろうか…。それから、ゴールデンカムイの元ネタみたいなアイヌの伝説も興味深かった。2023/05/15

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