内容説明
食のおいしさをうまく伝えたいすべての人に。コク・キレ・のどごしの意味は? 生チョコの「生」って何? など味にまつわることばを言語のプロが徹底分析。またカレーやラーメン、お菓子の味のおいしさを、比喩やオノマトペを利用して効果的に伝える方法をわかりやすく解説。解き明かされるレトリックの数々に驚かされ、日本語の奥深さを堪能できます。引用した東海林さだおさん、阿川佐和子さんなどの名文や、『美味しんぼ』『神の雫』『孤独のグルメ』などグルメ漫画のセリフも味わい深く、図や表も多用しています。食にまつわる楽しいコラムも箸休め的に掲載。SNS、食レポ、お店の宣伝で、味の表現に困らなくなる1冊!
目次
序章 ことばから味へ・味からことばへ(瀬戸賢一)
第一章 コク・キレ・のどごし(宮畑一範)
第二章 「生」の味と魅力(瀬戸賢一)
第三章 味の「宝石箱」のヒミツ(辻本智子)
第四章 女の「うまい」・男の「おいしい」――男性しか「うまい」と言わないのか?(稲永知世)
第五章 マンガな味――ジャンルに根ざした味覚の表現(山口治彦)
第六章 カレーなるおいしさの表現(小田希望)
第七章 ラーメンの味ことば(山添秀剛)
第八章 お菓子のオノマトペ(武藤彩加)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
活字の旅遊人
41
『時間の言語学』の瀬戸賢一先生、こんな分野に入っておられるとは、驚きと共に嬉しいです! そして本書、まずは様々な作品の引用を見せられ感動。文章表現とは常識を超える技なのだ。グルメ・料理そのものをテーマにした文章だけでなく、例えば柚木麻子『BUTTER』を思い出そう。こういう工夫が、努力が、やはり必要だ。と文章を書くことに関して思いを新たにさせていただきました。「食べログ」にも時々投稿しているのだけど、まずはそこからやってみよう。写真ではなく、文章で読ませてやる! 蛇足ながら、分析としても面白い一冊だった。2022/04/21
racco201
30
言語学等の専門家が味の表現について分析した新書。参考文献は小説、随筆、漫画、企業の広告、HP…と多岐にわたる。 五感の表現はもちろん、コク、キレ、喉ごし、生という表現の意味や、隠喩、表現におけるジェンダーの関与、ジャンルに根ざした表現(漫画の絵画的な描出)、オノマトペ等内容は大盛り。 作家でなくても日常会話やSNS で「味ことば」を表現、 発信する時や読んで理解する場合に参考になることが多い。 そして何より、この本自体がまさに味ことばの「宝石箱」(第3章)なので、読み終える頃には満腹になった。2023/01/22
活字スキー
26
飲食は生き物にとって生命活動を維持するために不可欠な基本中の基本であると同時に、美味しいものをいただくことそれ自体が大いなる喜びにもなる。ヒトは何かインプットするにもアウトプットするにも言語に頼ることがほとんどなので、どんな分野においても語彙力はあればあるほど精度も効率も高まる。せっかくの御馳走も、ボーッと食べちゃ勿体ない。味に関する表現を様々な形で解析した本書は、美味しいものをより美味しくいただき、より楽しむ助けになるだろう。 2022/04/21
NORI
24
「おいしい!ウマ!ヤバッ」止まりになっていないか?という食に纏わる表現の徹底分析本。特に「コク・キレ・のどごし」の解説がピタッとハマった感じで共感度が高かった。コクがある=甘味+旨味+油分を中核に、空間的広がりと時間的経過が関わる。キレ=さっとなくなる気持ち良さ。酸味が最も重要だが、塩味や辛みもキレを生む。唐辛子や胡椒などのツーンと来ない"不揮発性の辛み"はキレを生むが、ワザビや辛子のような"揮発性の辛み"は、刺激が強過ぎてキレにならない。キレ過ぎる。のどごし=滑り感+涼感による心地よさ。2026/02/24
タルシル📖ヨムノスキー
21
美味しさの表現を言語学的に分析し解説した本。特に漫画における美味しさの表現を①説明ゼリフ、②モノローグ、③心象風景描写の3つに分類しているのが面白い。そうか〝美味しんぼ〟のあの表現は説明ゼリフに分類されるのか。なるほど。その他にもビールにつかわれる「コク、キレ、のどごし」の話とか、カレーライス、ラーメン、そしてスイーツのオノマトペまで、とにかく感心することしきり。とりあえず「美味い」と「ヤバい」以外で美味しさを表現する努力をしよう。それと本文では触れられていないけど「普通に美味い」は褒め言葉じゃないよね。2023/03/08
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