関口宏・保阪正康の もう一度!近現代史 帝国日本の過ち

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関口宏・保阪正康の もう一度!近現代史 帝国日本の過ち

  • ISBN:9784065281581

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内容説明

読者から待望の声殺到の大人気シリーズ、ついに完結!
昭和11年の二・二六事件から、昭和20年8月15日の玉音放送までの10年間。
満州事変、国連脱退、日中戦争、ノモンハン事件と、領土拡張への野望を隠さない日本軍部。政党政治も、皇族宰相も、そして天皇も、その暴走を止めることはできなかった。
1941年12月8日、マレー半島コタバルへの上陸、および真珠湾攻撃によってはじまった対英米戦争は、やがて全世界の連合国47ヵ国を敵に回す絶望的な戦闘へとドロ沼化する。
いっぽう、中国の蒋介石は、妻の宋美齢がたびたびワシントンに飛び、日本を相手に戦うことの正当性を訴え、支援を取り付けることに成功する。
アメリカ、イギリス、ソ連は中国を連合国の主要な一員と認定し、この枠組みは、戦後の国際秩序にも反映されることになる。
ビルマの首都ラングーンから、蒋介石政権の根拠地・南京を結ぶ「援蒋ルート」によって送り込まれた武器弾薬、および支援物資は、中国の抗日戦争を支えつづけた。
日本軍はミッドウェー海戦をきっかけに太平洋でも敗戦を重ね、南海のガダルカナル島争奪戦でも壊滅的な打撃を受けた。
東南アジアでも「史上最悪の作戦」と言われたインパール作戦など兵站・補給を無視し、戦力差をことさら軽視し、精神力のみに頼った日本の戦争は、やがて、人間の命をも兵器として利用する「特攻」という史上類例をみない過ちへと突き進んでいく。
自らの責任を追及されることを恐れ、面子にのみこだわった軍部は、それでも戦争を止められなかった。
東京大空襲による大火災で、民間人に多数の死傷者を出し、沖縄上陸戦で多くの人が命を落とし、広島・長崎への原子力爆弾投下という悲劇を招いても、なお自らの過ちを認めようとしなかった。
当時44歳の天皇は、「無条件降伏」という重い決断を一身に背負う――。
昭和史研究の第一人者と名司会者が語り合う、戦争の悲劇。

目次

1「下士官兵に告ぐ」二・二六事件の結末と軍の暴走
2「ドイツと手を組む」という決断 日本の分岐点
3「父の仇を」軍閥後継者・張学良が抗日戦線に合流
4 満州皇帝の実弟・溥傑の政略結婚と「死なう団事件」
5 待望の皇族宰相「プリンス・コノエ」近衛文麿登場
6 盧溝橋事件 日中の戦端を開いた一発の銃弾
7 ソ連の「新皇帝」スターリンの野望と陰謀
8 満映理事長・甘粕と大スター・李香蘭の正体
9「東条ごときが」石原莞爾との根深き確執
10 日中和平工作 ポイント・オブ・ノーリターン
11 大虐殺はあったのか「南京事件」論争と真相
12 林芙美子、佐藤春夫 文芸家協会の「ペン部隊」
13 奥地へ、さらに奥地へ ドロ沼の中国戦線
14 傲岸不遜、唯我独尊 陸軍参謀・辻政信の知略
15 ノモンハン事件「近代戦」に敗れた日本軍の実力
16 ドイツを最もよく知る男 駐独大使・大島浩の計算
17 第二次大戦開戦! 知米派・山本五十六の戦争計画
18 勇気ある議員・斎藤隆夫の反軍演説と国民生活の窮乏
19 優柔不断の男・近衛文麿と猪突猛進の松岡洋右
20 ベトナムの石油利権を狙った南進政策と三国同盟
21 国家の資源を総動員せよ 大政翼賛会の号令
22 土壇場、ギリギリの直談判 日米和平交渉
23「対英米開戦へ」天皇も腹をくくった御前会議
24 政官界に浸透した情報網 スパイ・ゾルゲの暗躍
25 解読されていた暗号 「運命の分かれ道」
26「ニイタカヤマノボレ」宣戦布告とハル・ノート
27 単冠から出撃! 機動部隊「標的は真珠湾」
28「マレーの虎」山下奉文司令官と銀輪部隊
29 蒋介石が英米と連携 連合国陣営の一角を形成
30 世界最高・最強の戦艦「大和」と幻の3号艦
31 フィリピン、ビルマ戦線 打つ手打つ手が当たる進撃
32 アメリカの特攻隊 ドゥーリットル空襲隊
33 誤算に次ぐ誤算、慢心が招いたミッドウェー大敗北
34 飢えとマラリア 地獄の戦場ガダルカナル
35 米兵向け英語放送「東京ローズ」の正体
36 名将・山本五十六ブーゲンビルに死す
37 アッツ島守備隊、全員突撃 「玉砕」の連鎖
38 ムッソリーニを救出したヒトラーの狙い
39 学徒出陣「学生代表」帝大生の違和感
40 「クワイ河マーチ」捕虜虐待の代償
41 カイロ会談に臨む蒋介石 妻・宋美齢の暗躍
42 南洋の日本拠点と水木しげる一等兵
43「竹槍では間に合わぬ」 東条英機の焦り
44 史上最悪の作戦・インパールの指揮官 牟田口廉也
45「パリは燃えているか」 ヒトラーの落日
46 日本海軍最後の海戦 マリアナ沖の決戦
47 連合艦隊の壊滅と明日なき「特攻」作戦
48 残置諜者・小野田寛郎に課せられた役割
49 ロシアの裏切り 対日第二戦線のウラ議定書
50 知将・栗林忠道中将が戦い抜いた硫黄島
51 東京大空襲を指揮したルメイ司令官に勲一等…ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ムーミン2号

8
全3冊シリーズの「もう一度!近現代史」のラストは「帝国日本の過ち」という副題。2.26事件から終戦までが内容だが、読んでいくうちに、人間という生き物そのものがおかしい存在なのか? などと思ってしまう。一応、政治体制は保持していたものの、ほぼ東条独裁体制で進められた数年間は、地獄行き超特急に日本全部が乗せられたような気さえしてしまう。人間の命を戦争の道具としてしまったこと(特攻や玉砕)はあまりにも非道だ。もちろん、原爆もダメだけど…。2022年においては、ロシアのウクライナ侵攻に思考が及ばざるを得ない。2022/12/11

鈴木双葉(全日本目が死んでる団団長)

2
どーも歴史の大事なトピックよりも、すみっこの話に目を奪われがちな私。スターリンの身長160センチとか。/白状すると、小説「麦と兵隊」の表紙に萌えた(←腐)/保阪さん、東條英機に言いたいことが相変わらず山ほどあるっぽい。2022/06/16

Go Extreme

1
「下士官兵に告ぐ」二・二六事件の結末と軍の暴走 「ドイツと手を組む」という決断 日本の分岐点 「父の仇を」軍閥後継者・張学良が抗日戦線に合流 満州皇帝の実弟・溥傑の政略結婚と「死なう団事件」 待望の名族宰相「プリンス・コノエ」近衛文麿登場 盧溝橋事件 日中の戦端を開いた一発の銃弾 ソ連の「新皇帝」スターリンの野望と陰謀 石原莞爾との根深き確執 日中和平工作 ポイント・オブ・ノーリターン 大虐殺はあったのか「南京事件」論争と真相 知将・栗林忠道中将が戦い抜いた硫黄島 東京大空襲を指揮したルメイ司令官に勲一等2022/05/28

KIYO

0
シリーズ第3弾です。教科書には載っていない情報が多くとても勉強になります。近現代史はこれで終わりの様子。この番組の再放送も見たいです。2022/06/25

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