内容説明
徳川体制を支えていた「仁政と武威」の揺らぎ,広がる格差と蔓延する暴力,頻発する天災や疫病――先の見えない時代を,人びとはどのように生きたのか.幕末維新を天保期から始まる長い変動過程としてとらえ,みずから動きだす百姓,自己主張を始める若者,新たな生き方を模索する女性に光をあて,その社会像を総合的に描く.
目次
はじめに┴序章│武威と仁政という政治理念┴1 江戸時代 社会の枠組み┴2 百姓一揆という社会文化┴3 既得権益の時代┴第一章│天保期の社会揺らぐ仁政┴1 「内憂外患」の自覚┴2 在地社会の動揺┴3 無宿・博徒の世界┴4 百姓一揆の変質崩壊する作法┴5 奇妙な三方領知替え反対一揆┴第二章│弘化から安政期の社会失墜する武威┴1 ペリー来航と政局の展開┴2 国体・尊王攘夷論の形成と広がり┴3 開国を受けとめた社会┴4 地震とコレラに直面した人びと┴5 「強か者」の登場┴第三章│万延から文久期の社会 尊王攘夷運動の全盛┴1 在地社会に広がる尊王攘夷運動┴2 出遅れる長州藩,動く薩摩藩┴3 欧米列強との戦争と在地社会┴4 在地社会に広がる尊王攘夷運動┴5 地域指導者の転回┴第四章│元治から慶応期の社会 内戦と分断の時代┴1 長州藩の復活から幕府滅亡┴2 天狗党の乱と在地社会┴3 北関東で連続する世直し騒動┴4 戦場となった北関東┴5 東北戦争と在地社会の動向┴おわりに┴参考史料┴参考文献
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