内容説明
著者は言う。「質問は、大事です。質問は答えより大事です。質問がないと答えが見つからない。質問があって、答えが見つからないから、その問題を考え続けることができる」
キリスト教のことを考えると、いまさら聞けない質問・疑問がいくらでも出てくる。
例えば、「神さまはいるのか」「神さまは男か、女か」「人間は罪があるのか」「天使はどんな存在か」「地獄はどんなところか」。
なかなか聞けないことばかりだ。そんな質問・疑問に、著者は明解に答えていく。というよりも、キリスト教ではそれらをどう考えるかを明らかにしてくれる。
その解答をとおして、キリスト教の理解が深まることはもちろんだが、著者は、信仰するとはどういうことか、さらには人生や死とは何なのかに分け入っていく。というのは、キリスト教は、そうした人間が考えそうな問題について全部考えてきたことになっているからだ。
それは読めばスリリングな論考である一方で、人に思考を激しく強いるものでもある。目の前がパッと開けること、請け負いだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Take@磨穿鉄靴
29
くだけたタイトルから軽く流そうと思ったけどなかなか勉強になった。著者の立ち位置故かそんな質問しちゃう?という結構攻めた内容だった。それを分かりやすく簡潔にまとめてあるので理解しやすい。これを読んで私はやはり仏教の方に魅力を感じた。「復活」という概念は私にはない。諸行無常。私は復活しない。だからこそ今を大切に味わい生きる。キリスト教も生きる上で勉強になるけど少し距離を取る必要を感じた。私の中に復活はない。ただこの本は分かりやすくてオススメ。★★★2022/08/31
かずぼう
25
LGBTQは、罪なのか?これは、ワタクシ個人もずっと思ってきたこと。本書によればゲイやレズビアンの人は気がついたら、そうだった、自分でなろうと思ってなったわけではない。それは、神がそう造ったから。その人に責任はない。神の意思を、人間が否定してはならない。そう言われると、納得する気持ちも湧いてくる。2022/07/10
Francis
14
猫町俱楽部 教養として読む聖書のレクチャーで講師を務められた橋爪大三郎先生の最新刊。プロテスタント・ルーテル派として当たり前のキリスト教観に基づいて書かれている。私も信仰に確信を持つことが出来た。キリスト者も読んだ方が良い。橋爪先生がアメリカ在住のため福音派の人たちの事に紙幅が割かれているが、読んでなぜアメリカで福音派が増えたのか分かる気がしてきた。クリスチャンは「迷える一匹の羊」すら探さないといけないので福音派の人たちが何でそう言う行動に走るのか、「愛」ゆえに考えなければいけないのである。2022/04/27
チサエ
7
それ聞いちゃう?というような根掘り葉掘りな質問も多く、それに対する橋爪さんのお答えも程よく砕けていて、おもしろかったです。なかなか良き学びになりました。2022/11/09
めっかち
6
敬虔なプロテスタント、橋爪大三郎さんの護教論。護教論というと悪口みたいだが、橋爪先生はとても論理的なお話をなさっておられる。私はクリスチャンではないが、十分理解できた(納得はしてないが)。橋爪先生の文章は、小室直樹先生譲りの軽快な講談調。読んでて楽しい。で、本書は、一問一答形式で、キリスト教徒以外の日本国民も教養として知っておきたい内容が書かれている。やっぱり日本人、宗教を知らなさすぎる。霊感商法に引っかかるのも、統一教会バッシングに過剰となるのも、宗教を知らないからだろう。2023/01/23