内容説明
全寮制男子校である霧森学院の旧寮「あすなろ館」は、昨年起きた“ある事件”のせいでほとんどの生徒が新寮に移ってしまい、今はたった6人の生徒しか入居していない。 そのうちの一人・兎川雛太の部屋に新たな入居者がやってきた。転校生の鷹宮絵愛。頭脳明晰だが動物にしか心を開かない変人だ。 ある日、校内で生徒会長の湖城龍一郎が何者かに殺害される。現場の状況から犯行が可能なのはあすなろ館の住人だけだった――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
490
ちょっとBLの匂いがする主人コンビや、あまりにベタな生徒会頂点型スクールカーストに賛否はあるかもしれないが、そういうの好きな人がそういうの好きな読者に向けて書いてます!という潔さが垣間見えて、ここまで来たら別にいっかという気持ちになる。消去法で犯人を絞りこんでいく解決編なども、マニアライクで良いとは思う。気になるのは、この作品の根幹を為すミスリードは、完全に読者がターゲットとなるメタ的なもので、作中人物がこれほど都合よく誘導されてしまうものだろうかという点と、作中世界においては最早これただの汚職案件。2025/06/08
オーウェン
62
霧森学園のヒナと転校生のエチカは同部屋のルームメイト。 そんな学園で起きた殺人。 その状況から、2人が入寮しているあすなろ荘の住人でしか殺人を行えないことに。 コージーミステリかと思っていたら、実際の殺人が起こってしまう。 凶器や殺人の方法は分かっているが、問題は住人の誰かという点。 それらの伏線が散りばめられており、ラストで事件を起こせる可能性のある犯人が暴かれる。 いじめ問題などがテーマになっているが、意外なほど爽やかなラスト。 このコンビは続編が作れそうな気が。2022/09/12
koma-inu
58
高校寮ルームメイトのヒナとエチカが探偵役。ほんわか日常の謎かと思いきや、中盤で殺人が起こる、本格ミステリ。容疑者は8人、解決編ではエチカが一人ずつ容疑者を減らす・・綾辻さん「鳴風荘事件」風です。容疑者がゼロになるものの、盲点ーある理由で、あるところから見落としてしまうーをついた真相が魅力的。ミスリードがフェア&秀逸で、そこにいくか〜!?と関心しました。ラストの二人の心温まる(BL気味の)掛け合いも、作風に合っている気がして、悪くないです。キャラもミステリも楽しめたので、次作も期待しています!2022/09/15
さっちゃん
52
全寮制男子校の霧森学院には格安で入れる旧寮「あすなろ館」がある。新学期、高2の雛太の同室に転校生のエチカが入居。二人が少しずつ打ち解けてきた頃事件が起きる。/男子高校生達のいちゃいちゃ…いや、わちゃわちゃが繰り広げられるライトな読み心地。キャラの言動がひと昔前の漫画チックなのが好みの分かれどころか。今時こんな高校生いるかな?と思わなくもないけど、これはこれで楽しめる。殺人事件の謎解きも明快で後半の勢いがgood。すっかり騙された~。続編出たら読みたい♪2023/01/08
真理そら
49
高校の男子寮のルームメイト・ヒナとエチカが校内で起きた事件を推理していく話。きれいで性格難のエチカと女の子のように可愛いが武闘派のヒナがあれこれ推理している描写はラノベ風だがミステリーとしては王道かも。推理のためのヒントやらミスディレクションが入り混じっている上にアリバイから犯人候補を一人ずつ消していくという名探偵風の謎解きが少し懐かしくて楽しく読了。2025/05/09