ブルーバックス<br> なぜ宇宙は存在するのか はじめての現代宇宙論

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ブルーバックス
なぜ宇宙は存在するのか はじめての現代宇宙論

  • 著者名:野村泰紀【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 講談社(2022/04発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065277225

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内容説明

「宇宙論」は、ここ100年で非常に目覚ましい発展をとげています。これら直近100年の宇宙論の歩みを、最先端の発展までを含め、宇宙論や素粒子論、量子重力理論などを専門とする著者が、徹底解説。はじめての「宇宙論」として本格的な、そして現代的な宇宙論を知ることができるような1冊になっています。
人間の宇宙への興味は、古来より尽きることはありませんでした。実際、古代エジプトからインド、ギリシャに至るまで、様々な「宇宙論」が考えられ、それらに基づいた神話や哲学が発展してきました。にもかかわらず、現代の宇宙論につながる「観測に基づいた系統的な世界観の構築」が始まったのは、かなり最近、ここ400年あまりのことなのです。
理論物理学の最前線では、私たちの宇宙を超えた、その外側や生まれる以前などについても議論できるようになってきています。これらの驚くべき成果は、主に20世紀に入って起こった爆発的な物理科学の発展によってもたらされたものであり、それはアルベルト・アインシュタインをはじめとする多くの科学者の長年における仕事の結果として得られたものです。
現代の宇宙論で科学的に調べることができる、私たちの宇宙が誕生してから約10のマイナス30乗秒後といった宇宙の「超初期」について紹介したり、恒星や銀河、銀河団といった現在私たちが見る構造の起源が、このような宇宙の超初期にどのようにして作られたのか、理論的な説明や、それを確認するための観測についても触れていきます。
よく耳にする「ビッグバン宇宙」や「インフレーション宇宙」といった言葉についても理解が進むように詳しく解説しています。
さらに、近年理論物理学者の間で急速に受け入れられつつある描像である「マルチバース理論」を紹介します。この最新の描像によれば、私たちが全宇宙だと思っていたものは無数にある「宇宙たち」の一つにすぎず、それら多くの宇宙においては素粒子の種類、性質およびそれを支配する法則、さらには空間の次元に至るまで、多くのことが私たちの宇宙とは異なっているとされるのです。
私たちのこの宇宙が始まる前から寿命について、またこの宇宙の外側まで、壮大なスケールで語られる、わかりやすい最先端の宇宙論です。

目次

第1章 現在の宇宙
1-1宇宙論の扱う宇宙
1-2宇宙観を一変させる発見
1-3ダークマター(暗黒物質)
1-4ダークエネルギー(暗黒エネルギー)
第2章 ビッグバン宇宙 1ーー宇宙開闢約0・1秒後「以降」
2-1変化する宇宙
2-2若い宇宙は見えている!
2-3構造の形成
2-4ビッグバン原子核合成
第3章 ビッグバン宇宙 2ーー宇宙開闢約0.1秒後「以前」
3-1さらに初期の宇宙
3-2超初期の宇宙で起きたこと
3-3ダークマター候補1:「ウィンプ」
3-4ウィンプの実験的探索
3-5ダークマター候補2:「アクシオン」
3-6なぜ物質が反物質より多いのか
第4章 インフレーション理論
4-1初期の宇宙に残る謎
4-2ビッグバン宇宙に残された謎を解く
4-3原始揺らぎの生成
4-4原始重力波
第5章 私たちの住むこの宇宙が、よくできすぎているのはなぜか
5-1私たちの宇宙の全貌
5-2光速とはなにか
5-3素粒子、その不思議な構造
5-4本当に基本法則なのか?
5-5真空のエネルギーの大いなる謎
第6章 無数の異なる宇宙たち「マルチバース」
6-1真空のエネルギー密度と「人間原理」
6-2超弦理論、余剰次元、そしてたくさんの宇宙
6-3生成される宇宙は永久に無数にある!?
6-4私たちの宇宙は泡宇宙なのか
6-5ユニバースからマルチバースへ
6-6マルチバースと観測
エピローグ ~ 私たちの宇宙の将来

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

旅するランナー

260
宇宙のエネルギー密度の組成では、星とか銀河は0.4%に過ぎない。宇宙にとってはある意味不純物に過ぎない。でも、この不純物が私たちを育てたのです。そして、不純物のおまけのような私たちが宇宙全体の組成を明らかにしたことは、科学の力を物語るものです。と熱く語られる。宇宙誕生後約1分から10分の間に起こった極めて重要な出来事とは何かが分かり、ダークマター·マルチバースへと話題は突入していく。私たちが思っている以上に、宇宙·空間·時間などは豊かな概念を持っていることに気付きます。ただ、全体的には別次元の難しさです。2022/10/07

きみたけ

88
著者は、カリフォルニア大学バークレー校教授でバークレー理論物理学センター長の野村泰紀先生。我々の宇宙は無数にあるうちの1つであるとする「マルチバース理論」を展開する、ブルーバックスから出版された本格派現代宇宙論の本。最後まで読んだものの、正直ぼんやりとした理解で読了。現在の宇宙、ビッグバン直後の宇宙、インフレーション理論、ペンローズ図での考え方、超弦理論・余剰次元から無数の異なる宇宙(泡宇宙)たち「マルチバース」の世界と盛りだくさんの内容で勉強になりました。2022/06/19

ひろき@巨人の肩

84
直感的に理解しやすい図表を多用して、最新の宇宙の謎に迫る現代宇宙論の入門書。読了後、より俯瞰して宇宙の姿を理解できた。①宇宙を構成するエネルギー密度の時間変化は、エネルギー密度の高い順に、放射、物質、真空と進行している。②宇宙初期の「揺らぎ」を解明するために、ダークマターの「揺らぎ」の研究が進む。③高過ぎる真空エネルギーを説明するには、異なる真空エネルギーの宇宙の存在を前提とするマルチバース論が不可欠。④人間をペンローズ図の内側の観測者と認識することで、我々の住む泡宇宙を時空の拡がりと再定義できる。2023/12/24

へくとぱすかる

77
最先端の難解な宇宙論なのに、実に親切に説明してもらえる。常識なイメージでは、とてもついていけないのが普通な分野だが、初心者を置いていかないで、要所要所に誤解を解いてくれる説明があり、わかってから次の段階に進ませてくれる。数式がまったくないのも、私のような、専門からはるかに遠い素人読者にはありがたい。宇宙の「外側」と「始まる前」に関する答えは衝撃的。われわれの思考習慣を反省させられる。宇宙が加速膨張に転じた理由は不可解だったが、なるほどと納得。ダークマターなど物理学や宇宙論のモヤモヤが相当に霧散できて爽快。2022/12/11

佐島楓

75
ちょっとでも理解できたら儲けものだと思って手に取ったが、案の定ほとんどわからなかった。数式が出てくるととたんに眠くなる。興味はある分野なのだけれど、実感できない世界だからなぁ。2022/05/27

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