内容説明
「ロシアとロシア人の魅力を、衣食住の面から伝えたい」という本書の内容は、プーチン大統領の蛮行によってその色合いを変えた。新型コロナウイルスの蔓延下、ロシアを観光で訪れることはかなわない。何より頭をよぎるのは突然、ロシア軍の攻撃によって同胞を失い、住む家、町、国を離れざるをえなくなったウクライナ人の悲しみだ。日本人のロシアやロシア人に対するイメージも、好ましくないものに転じたかもしれない。しかし、だからこそこの本を手に取っていただきたい。もちろん「ロシア政府とロシア人は別」と簡単に割り切ることはできない。では両者の関係がどうなっているのかということを、なるべく柔らかく、わかりやすく説き、「ロシアという国は何か」について、理解を深める必要がある。著者は執筆にあたり、次のように語った。「自分のロシアへの『愛』を伝える作品にしたい」。その真意を、一人でも多くの読者に感じていただければ幸いである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
165
今次露宇戦争の解説ですっかり有名人になってしまわれた「松戸の全裸中年男性」氏の「こんな時だからのロシア本」後書きで「ロシアには危なくて入れません」な状況になっておられるとの事。アメリカ軍研究ならそんな苦労などと思わなくもなし。「ロシアに暮らす人々編」「ロシア人の住まい編」「魅惑の地下空間編」「変貌する街並み編」から始まり「権力(主にプーチン)編」で終わる。冒頭の章からロシアの文化や歴史に起因する剣呑さがそこここに顔を出し、キツイものが有る。諸君、やはり、ロシアは滅ばさねばならぬ…のであろうか?2022/05/03
seacalf
150
プーチン大統領の行動に異を唱えても、ロシア人に眉をひそめるのはお門違い。そうは思ってもどこか警戒してしまう。そんな気持ちを打破するのに丁度良い。前半は庶民レベルの話なので、堅苦しさもなく非常に読みやすいのでとっかかりとしては申し分ない。日本人観点からすると度を越した世話焼きエピソードの数々に頬が緩む。住居、別荘、愛国者公園、どこか憎めないロシア人気質、聞いたことがない面白い話がゴロゴロ。後半の政治・軍事的な話では知らない側面を学べ、報道を見て日に日に刷り込まれていく否定的な印象を少し和らげることができた。2023/01/07
楽
129
プリゴジンはすぐに鎮圧、粛清されてしまうのか、あるいはポチョムキン号の反乱のようになるのか■22年4月。佐藤優より平易。ゴルバチョフの禁酒令の時に靴墨をパンに乗せて染み出してきたアルコール分だけ吸った話は本書にも出てくる■5章までは人や生活、6章と7章は政治に焦点を当てる。随所に著者のロシア、ロシア人への愛が感じられる。ウクライナ戦争がなければ本書もまた違った体裁になったかもしれないし、そもそも私が読もうと思ったかどうかもわからない。(続く)2023/06/23
ひろき@巨人の肩
108
ロシア人の奥様と生活する軍事評論家の小泉悠氏。ロシアは、ウクライナ侵攻後、日本を脅かす存在として意識されるようになったが、本書にてロシア人の生活に触れたことで、ロシアを理解し直すことができた。人を信用しない一方で他人に親切なロシア人。賄賂を社会の潤滑油と捉えて、60点で良しとする合理主義者。ソ連時代より集合住宅に住み、地下空間やスパイを身近に感じる社会。週末は別荘“ダーチャ”で友人たちと過ごす。気候的にも政治的にも厳しい環境を生き抜いてきたという誇りが、ロシア人のアイデンティティだと感じた。2023/08/02
keroppi
98
ウクライナ侵攻以来テレビでよく見かける著者が、ロシア人について、ロシアの生活について、そして、プーチンについて、語る。自分の経験から語られるロシア人は、かなり優しげであるが、価値観はかなり違うようだ。日本の価値観だけでものを見てはいけないのだなと思う。プーチンは、日本のことを「主権が制限された国」として見ているという。国際関係を、また違った視点で見せてくれた本だった。2022/11/24
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