内容説明
言い訳――窮地を脱するための説明で、自分をよく見せようとする心理が働くので、大方軽蔑の対象になる。しかし文豪たちにかかれば浅ましい言い訳も味わい深いものとなる。二股疑惑をかけられ必死に否定した芥川龍之介。手紙の失礼を体調のせいにしてお茶を濁した太宰治。納税額を誤魔化そうとした夏目漱石。浮気をなかった事にする林芙美子等、苦しく図々しい、その言い訳の奥義を学ぶ。(解説・郷原宏)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
NADIA
41
すごい言い訳。うん、すごい人たちの手紙に綴られた言い訳がたくさん収録された貴重本。すごいという意味が「言い訳」の内容ではなく、「超文豪」の方にかかっていたねというのは、私にとってはちと残念。もっと斜め上のすごい理由が述べられているのかと期待していたけど。表現力がさすがということは素直に認めるけどね。一番面白かったのは中原中也の「一人カーニバル」かな。あと、とても清廉で正直なイメージのある石川啄木やら宮沢賢治やらもしょーもない言い訳をしていたんだなというところも大変興味深い。2025/01/12
Apple
27
文豪たちだからといって、言い訳の手紙を書く上で特別な技術や卓越して気の利いた言い回しとかをしているわけではありませんでした。手紙の内容もさることながら、文豪と呼ばれる人たちは誰も彼も個性がとても強いなーと感じました。ときに素直に、ときにあからさまに、大胆不敵な申し開きをすることで、場合によっては相手を呆れさせてしまうくらい出来るといい(?)のかなと思いました。謝罪や弁解の技法について学べる本だという気もしますが、結局はベースの信頼関係が相手と築けていることが前提かな、とも思いました。2022/06/21
金吾
26
言い訳でない話もありますが、それぞれが文豪たちの人間性が伝わり、イメージと違う人もおり面白かったです。樋口一葉、谷崎潤一郎、武者小路実篤、林芙美子、山田風太郎、志賀直哉、夏目漱石が良かったです。 2023/10/31
駄目男
17
文字通り文豪たちの凄い言い訳になるわけだが、恋愛、結婚、借金、礼儀など縷々手紙であの手この手、のらりくらりでお茶を濁したり、何とか言い訳して引き伸ばしたりで相手が値を上げるような名分や迷文でごまかしたりしているようにも取れる。例えば織田作之助などはソプラノ歌手笹田和子に失恋した腹いせに、こんな手紙を友人に送っている。「さて、申しおくれましたが、小生嘘から出た真にて、笹田ライトコメディ女史と結婚の破目にいたりました。実は小生もひそかに文谷女史に失恋以来、もはや破れかぶれ、2023/01/25
Inzaghico (Etsuko Oshita)
15
褒められている言い訳が多いけれど、こちらが最初から「言い訳」という目で見ている有島武郎が友人の絵を無断で手に美術展に出して落選してしまったとき、その友人への謝罪として「いい意志から出た事であるのを思って我慢して下さい」と書いたことに対し、著者は恩着せがましさを感じさせない、と書いているが、じゅうぶん恩着せがましいぞ。と鼻息荒く怒りつつも、樋口一葉の借金の言い訳は「まあなんという美文。これはしかたないか」と思ってしまうのはいかんいかん。2022/11/10
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