新潮文庫<br> 作家との遭遇(新潮文庫)

個数:1
紙書籍版価格
¥737
  • 電子書籍
  • Reader

新潮文庫
作家との遭遇(新潮文庫)

  • 著者名:沢木耕太郎【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 新潮社(2022/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101235349

ファイル: /

内容説明

少年の頃に開いた書物の森で、あるいは「学校」のようだった酒場の片隅で、沢木耕太郎が心奪われるように出会ってきた作家たち。山本周五郎、向田邦子、山口瞳、色川武大、吉村昭、吉行淳之介、小林秀雄、瀬戸内寂聴など、書くことが即ち生きることだった19人の作家に正面から相対し、その本質を描き出す。誰も知らなかった顔に辿り着き、緊張感さえ孕むスリリングな刺激あふれる作家論!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

73
仕事で出逢った19人の作家を綴った、沢木耕太郎氏らしい切れ味鋭い人物評がさわやかで面白い。山本周五郎、向田邦子、色川武大、吉村昭など、今ご贔屓の作家さんもいて思わず嬉しくなりました。どうもサラリーマン時代の周五郎は、勤勉な仕事ぶりではなかったようです。周五郎が26歳で書いた『青べか物語』の誕生秘話には初耳のことがたくさんありました。向田邦子の悲報ー台湾・航空機事故は、まさに青天の霹靂で、初エッセイの『父の詫び状』文庫版の解説を執筆中の沢木氏は、ラジオで訊いてびっくり仰天したそうです。面白い秘話が満載です。2025/04/06

佐島楓

70
一流の書き手は、一流の読み手でもある。そんな言葉が脳裏に浮かんだ。作家に対する深い敬意と、鋭い洞察で、ひとりひとりの心の奥まで丸裸にしてしまう。だから小説はこわい。けれどおもしろいものでもある。2022/05/04

Kajitt22

37
19人の作家との出会い、すれ違い、その著作を読み込んでの思い。ひとりあたり20ページ前後と短い文章ながらその作家の本質が鋭くあるいは遠回しに語られていると思う。たぶん全著作を読んだ上で書かれたものだろう。1979年から2010年までの文章のようだが1987年「近藤紘一」の文章はその著作『サイゴンから来た妻と娘』に記憶がありリアルタイムで読んだと思う。ちょうどその頃『深夜特急』が刊行されていたのではないか。すこし懐かしく当時に思いを馳せた。2023/01/30

ワッピー

37
読み友さんのコメントから。文学者が文学者を考察するというのは、チャレンジングでひやひやする戦いでもあり、これまでに自分が知らなかった作家世界を覗くことでもあります。なじみの作家もいれば、名前しか知らない作家もいて、沢木尺による測量風景をながめて、自分の視野のせまさ、そしてそれぞれの作家の持ち味やすごさを感じました。山本周五郎の若き日の苦闘、吉村昭の逆説的発進、柴錬のニヒルの原点など知らなかったたくさんのネタを堪能しました。阿部昭は未読のため、『単純な生活』を読んでみます。日本の近現代作家の幅広い扉本です。2022/09/14

KEI

36
著者による19名の作家論。錚々たる作家さんが多く、既読は6人だった。驚いたのは著者の広くて深く掘り下げた作家論だった事。膨大な読書量にも理解力にも頭が下がる。例えば山本周五郎の「青べか物語」。かなり昔に読んだが、私の感想はそれまでの作品とは違ったもので、単なる浦安で暮らした時の回想の様に感じていた。ところがこれは、浦安という土地の讃歌の様な形をとりつつ実は作家の青春を、声低く謳おうとした作品であり、周五郎の世界のひとつの極みに立つ作品となったと書かれていて、いかに自分の読みの浅さを感じさせられた。2025/05/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/19615894
  • ご注意事項

最近チェックした商品