内容説明
「NHKの顔」だった著者も気づけば若手に席を譲る世代に。定年まで粛々と……と覚悟するも、内心「仕事」と「やりがい」のバランスが保てない。そこへ関心があった福祉分野での求人を知りまさかの転職! 超安定企業を辞める決心と家族の反応、新天地での苦労、それでも思い切って良かったと実感する現在までを綴る転職体験記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
66
NHKで長年メインキャスターを務めていらした内多元アナ。突然の退職と福祉施設の職員への転職にとても驚いたことを覚えているけれど、本書を読むとその裏側に必然ともいえるような経緯があったことがわかる。「自分にとって仕事はどうあるべきか」から「他者にとって自分(の仕事)はどうあるべきか」のようなシフトに変わっていく様が読んでいてとてもずしんときた。内多さんの様々な福祉政策に関する提言が社会を動かしつつあるようだし、これからもお体に気をつけて頑張っていただきたいと思う。応援しております。2022/04/24
GX
7
直接的な、ケアを提供するだけではなく、いろいろな役割があるのですね。このひとの「仕事」に対する考え方には、とても共感しました。2023/02/13
チェアー
6
人は報酬よりもやりがいで生きられる(生きていけないくらいの報酬は論外だけど)。自分がしたことが誰かの役に立って、直接言われなくとも「ありがとう」と思ってもらえるなら、それを想像するだけで生きていける。それほど他人の役に立つことは人間が生きる上で根源的なことだ。 自分は何のために、誰のために働いているのか。それは幸福なことか。幸福をもたらすことか。常にそう自分に問いかけながら生きること。 いまも内多さんの声は覚えていて、脳内で再生されている。 2022/06/24
遠い日
6
元NHKアナウンサーの内田勝康さんの転職記。NHK時代に仕事を通して興味を持ち、社会福祉士の資格にチャレンジ。期せずして訪れた新しい仕事の紹介にぐいと舵を切ったその心持ち。不安と期待のせめぎ合いが生々しく吐露されていました。新しい仕事は、医療的ケア児の短期入所施設「もみじの家」のハウスマネジャー。苦労されて、あたふたされた時間は内多さんを鍛え抜くこととなりました。 NHKで培ったなにくそ魂、失敗を恐れすぎないメンタル、すばらしいです。仕事とやりがいを見事に手中にしている内多さん。学ぶところが多かったです。2022/04/15
oanchan
4
50代でアナウンサーから福祉分野へ転職。当初はかなり苦労されたようだが、やりがいと仕事がマッチしていて羨ましい。慢性と安定した場所で生きていると、周りが全く見えなくなってると実感。勇気と元気をもらいました。2022/09/10