性愛と暴力の神話学

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性愛と暴力の神話学

  • ISBN:9784794973016

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内容説明

生命エネルギーの奔流が激突するところ、
「性愛」と「暴力」が鮮やかに描かれる。

日本における神話研究の最前線を斬新な観点から
平易に伝える<シリーズ神話叢書>、待望の第一弾!

神話が人間の本質に関わる物語であるとしたら、
性愛と暴力ほど人間が人間である所以に深く関わるテーマはないのではないだろうか。
古今東西、性愛の喜びと悲しみの詩や暴力や死に立ち向かう英雄譚は人々を魅了し続けている。
暴力の神話については「メドゥーサ」から南米の「インカリ神話」まで
性愛の神話については「お菊」譚から「ドゴン神話」まで、
互いが重なりあって存在している情景を丹念な調査と研究から明らかにする。

【目次】
1:南郷晃子「花の名を持つ女:むごく殺されるお菊、お花をめぐって」(日本)
2:斧原孝守「暴虐の巨神と原初夫婦神:中国の古典神話と民間神話の世界から」(中国)
3:川村悠人「手足で待ちかまえる女根たちと征服する男根たち」(インド)
4:石川巌「ギムポ・ニャクチクの花嫁:古代チベット土着宗教儀礼説話への招待」(チベット)
5:内海敦子「インドネシアの神話:秘するべき男女の愛、愛すべきものへの暴力」(インドネシア)
6:深谷雅嗣「『ホルスとセトの争い』:同性愛と暴力」(エジプト)
7:松村一男「メドゥーサはなぜペルセウスに殺されねばならなかったのか?」(ギリシャ)
8:横道誠「グリム兄弟の仕事:ゲルマン神話とドイツの昔話の暴力と性愛に関して」(ゲルマン)
9:木村武史「双子の妹を求めるオゴの性愛の罪を贖う供犠と再生による世界創造:マリ、ドゴン神話より」(アフリカ)
10:谷口智子「ラテンアメリカにおけるエロスと暴力:征服のトラウマとしてのインカリ神話と民衆劇」(ラテンアメリカ)
11:木村武史「ヴァギナ・デンタータとココペリ:豊穣・幸福と恐怖・病・暴力」(北米)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Go Extreme

4
花の名を持つ女:むごく殺されるお菊、お花をめぐって 暴虐の巨神と原初夫婦神:中国の古典神話と民間神話の世界 手足で待ちかまえる女根たちと征服する男根たち ギムポ・ニャクチクの花嫁 インドネシアの神話:秘するべき男女の愛、愛すべきものへの暴力 『ホルスとセトの争い』 メドゥーサはなぜペルセウスに殺されねばならなかったのか グリム兄弟の仕事 双子の妹を求めるオゴの性愛の罪を贖う供犠と再生による世界創造 ラテンアメリカにおけるエロスと暴力 ヴァギナ・デンタータとココペリ:豊穣・幸福と恐怖・病・暴力 2022/05/12

コウみん

2
世界の神話の裏側を見せた一冊。 ギリシア神話からエジプト神話、ラテンアメリカの神話まで絶対知れざる得ない神話学。 性文化とかあまり一般人にとっては少し難しいかも知れないが、神話に興味がある人なら読んでみても損はない。2024/01/11

riri4125

2
図書館で新刊図書欄にあったので借りてみた。一般向けというより、研究者たちの論文集といった感じでやや読みにくかった。世界各地の民族の中で伝承されている神話や民話の残酷さ、身もふたもない卑猥さに驚かされる。それだけ生(=性)が重要ということか。2022/05/08

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