内容説明
先が思いやられるような人間になれ―。これが父の教育方針だった。悪ガキとして名を馳せた中学時代を経て、青成瓢吉は早稲田大学に進学、学園紛争の口火を切る。やがてお袖との同棲生活にはまり大学を中退するが、彼の脳裏には芸妓になった幼なじみのおりんの姿が…。大志ある親友たち、味のある教師、任侠道を貫く渡世人など、脇役陣も多士済済。今、不朽の人生ドラマが幕を開ける。
(※本書は2000/3/1に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほたぴょん
2
面白かった。かなり荒削りなんだと思うけど、著者の中からほとばしり出てくるものがあるのは感じられる。川端康成が時評で評価したことで注目を浴びたと解説にあるが、川端もそういうところを評価したのだろう。川端って、何でもないような一般の主婦の書いたようなものでも、何か感じるものがあるとものすごく褒める人だから。いわゆる教養小説とはまた違うと思うけど、時代のうねりみたいなものと、その中で翻弄される若者の姿を描こうとして、その目論見が割にかちっと果たされているあたり、長編でありながらダレない。いい小説だと思う。2011/06/07
ハムレット
0
映画「けんかえれじい」みたいなノリ。
プヨ
0
明治、日本がまだ元気で活気のある時代。最近のイジメとか殺人がテーマの小説に比べて明るくって勢いあって気持ちが良い。なんとなく読み始めたら、思いのほか面白かった。2010/09/06
さくらみかげ
0
やると思えばどこまでやるさ それが男の魂じゃないか2011/04/24