内容説明
少子高齢化、自然災害、パンデミックなどネガティブな世相の昨今だが、実は日本は「隠れ幸福大国」である。ただ、バラ色老後のために足りないのは「考え癖」と「行動癖」。この二つを身に付けて幸福をつかみとるための最良テキストが、哲人ラッセルの『幸福論』なのだ。同書を座右の書とする齋藤氏が、現代日本の文脈(対人関係、仕事、趣味、読書の効用、SNSやデジタル機器との付き合い方等々)にわかりやすく読み替えながら、定年後の不安感を希望へと転じるコツを伝授する。なお、ラッセルは九七歳で天寿をまっとうするまで知と平和と性愛に身を投じており、本書は高齢社会のロールモデルとして読み解いていく
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ほよじー
8
★★★★ラッセルの「幸福論」に学ぶ。自分の内面を掘り下げるのではなく、関心を外部に向けること。不幸の原因は「退屈」である。外界に面白いことは無数にあり、そこに意識を向ける。欲しいものを持っていないことこそ幸福の要素。身体を鍛えたり、習い事を始めたり、自分に足りないものがあると感じるとそれを克服したい意欲が湧く。これが幸福への第一歩。内に閉じてばかりではやがて枯渇する。外部と接触して笑ったり、怒ったり、感動したりすること。大地のリズムに合わせて生きる。2023/02/24
ヨハネス
6
正面切って「幸福です」なんてブログに書くと叩かれる日本だから「幸福じゃない」という人が多いんじゃない?内閣府調査では64歳以下と比べ65歳以上の満足度が極端に高い、つまりリタイアしたら幸福になる割合が高いんでしょ。じゃ、こんな本要らないね。でも、ラッセルの「幸福論」がすごく面白いのはわかった。読んでみたくなった。「外部からいろいろな材料を取り込み感情を刺激することが幸福につながる」に同感。退職はしたけど趣味の世界から受ける刺激が大幅に増えたからあたしは幸福感があるのだ。2022/07/14
tdyskd
2
旅行に頻繁に出かける人ほど「拡散的好奇心」が強く、主観的幸福度が高く、認知症にもなりにくいとは知らなかった。2023/10/27
Noriko S
2
ラッセルの幸福論を著者の視点での解釈し、中高年への生き方を指南している。すべての内容が腑に落ちる。競争から降りること、仕事は退屈しのぎ、ある程度あきらめる。読書、旅行、自然への回帰、趣味などなど。折に触れて読む本と感じた。2022/09/27
やま
2
ラッセルの「幸福論」の解説と著者なりの解釈。2022/07/06
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