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内容説明
「英霊二万ノ加護ニヨリ無事撤収ス」――1943年2月7日、救出された陸海の将兵を乗せ、最後のガダルカナル撤退作戦を奇蹟的に成功させた駆逐艦白雪、そのラバウルに宛てた電報である。最終的に一万六〇〇人余りが命を長らえたものの、ガダルカナル争奪戦での日本軍の損害は、戦死者八千人、戦病死者一万一千人に及ぶ。その多くがマラリアや栄養失調による餓死である。何故このような悲惨な戦いとなったのか? 日本の陸海軍エリートたちは米軍を侮り、誤断を繰り返し、太平洋遥か六千キロを越えた余りにも遠い島嶼での戦闘に対して、現実をほとんど無視した命令を出し続けたのである。鎧袖一触で勝てるとの楽観を打ち砕かれ、死闘空しく日本軍がガダルカナルからの撤退を決めた時、太平洋戦争の戦局は米国側へと大きく転回していく……。当代一流の戦史家が、日米の死闘を克明に描いた戦記ドキュメント。「戦いの神・マルス」は、ついに日本を見放した!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
泰然
6
太平洋を遥か六千キロ先の、ガダルカナル島。旧軍の戦病死者一万一千人。その多くがマラリアと栄養失調だった。ミッドウェー海戦で主力空母を失った海軍だったが、米国と豪州の連絡路を遮断すべく、この島に飛行場を建設するも米国海兵隊に奪取されてしまう。歴史に「もしも」は禁物だが、この時点で「米豪連絡路の遮断」という戦略目標を放棄すれば、飢餓の惨劇回避ができたと思ってしまう。しかし実際は現場を知らないエリートによる誤断の繰り返しと、補給線の寸断を前にしても面目のため撤退を決断しない首脳部。我々は同じ光景を今も見ている。
エツロー
2
ガダルカナルの戦いの表面的な敗因は、兵站の軽視だろう。アメリカとまともに勝負するには、ガダルカナルは遠過ぎた。体力的にハンデのある相手に消耗戦を強いられては勝ち目はなかったのだ。しかし、本当の敗因はもっと根深い。情報軽視による楽観的な見通し、海軍と陸軍の対立、面目を保つための撤退の決断の先延ばしなど、大本営という中央組織が問題だらけだったのだ。著者は「エリート参謀たちの根拠なき自己過信、傲慢な無知、底知れぬ無責任が国を滅ぼす」と総括しているが、まさにその通りだと思うし、これは現在の日本にも通じる話だと思う2023/03/03
太陽の塔
2
★★★☆☆ 2010/07/31
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